地域のチカラ ~伴走支援の現場~
事業所紹介2023
時代の流れに乗って温泉街の灯りを守り続ける
三朝温泉のシンボルとも言える三朝橋の近くにある温泉本通り。温泉街を歩いて楽しむ通りの玄関口と、数十メートル進んだ先に2店舗の飲食店を経営する足立由里子さんは、「この入り口に灯りがないとお客さんが通りの奥まで歩いてこない。やっぱり灯りがあるかないかは大事かな」と話す。
時代は変わりつつも、生まれ育った地元を盛り上げたいという思いで事業を続けている。
▼思い出のある店を引き継ぐ
実家が温泉本通りで旅館業を営む足立さん。30歳の頃に喫茶店と雑貨販売を自分で営み始め、カフェ&バーやスナックを続けてきた。平成26年に温泉街の入り口にある「茶田屋本店」が閉店。店を引き継がないかと声がかかったという。
「昔、両親がご飯を食べに連れてきてくれた店を、まさか自分がやることになるとは思いもよらなかった」と話す。
覚悟を決め、お店を引き継ぐことにした。二次会以降の利用が多い店を一次会から利用してもらおうと、大阪で修行するなどして鉄板焼き店としてオープン。すると今度はコロナ禍に直面。複数人で食べるお好み焼きをやめ、幅広い一品料理を楽しめるようにしようと料理人から料理を学びながらメニューを3倍に増やした。
「状況は変わるけど、そこで何ができるか。昔はここら辺も40軒以上のお店があったけど半分以下になってしまった。なんとかしたい気持ちでやってきた」と当時を振り返る。