地域のチカラ ~伴走支援の現場~
生クリームが主役のカフェ 地域のファンを増やしたい
大山町の国道9号線沿いに、目をひく青い布を張った店がある。カップを口にする舞妓さんの絵に「齧珈琲」の文字。三重県からIターンした西村太一さんが開いたKazy Coffee(カジイコーヒー)だ。
大阪の不動産業で働いていた時に知り合った大山町出身の後藤翔さんと、一緒に何かやろうと候補地を探した。下見に来た大山町で「水がきれいでモサエビもおいしい。海や山の幸が豊かで、ここだと思った」と西村さん。古民家を改修してカフェを開くことを決め、大山町商工会に資金面の相談をした。
西村さんは飲食店で働いた経験はあるが、経営は初めて。商工会担当者と相談しながら計画を練り上げ、2023年3月に開店した。「第三者の目で計画の弱点などをアドバイスしてもらい勉強になった」。地域貢献や商品の魅力を高める方法など、多くのビジネスを見ている商工会の強みを感じた、という。
▼生クリームをおいしく味わって
メニューでは生クリームにこだわった。ケーキや飲み物の「添えもの」を主役にして、飲み物やティラミスに載せるほか、生クリームだけを食べることもできる。黒糖やミント味もあり、その場で混ぜて提供するため、とろみがあり香り高い。味も量も自分好みにカスタムできる。
地産地消を心がけ、生クリームや牛乳のほかに、抹茶やブルーベリーの生産者とは大山町商工会のマッチング支援で繋がり、季節ごとに商品開発を行う。「困ったときは頼りにしています」と西村さん。
▼店をきっかけに、地域を好きになって欲しい
テイクアウト中心だが店内にイスもあり、こだわりの内装は写真を撮りたくなる工夫がたくさん。商品を片手に町を歩くことも勧めている。「うちをきっかけに地元の良いところを知って欲しい。その中から僕らのように移住し、店を開く人が出てくれば嬉しい」と西村さん。
大山町商工会の松嶋遼太郎主任が「情報発信が上手で、画像や動画のセンスを持っているのが強い」と保証するように、SNSを活用し、県内外から人が集まる店になった。もっと気軽に利用してもらうため、トーストやプリンなど手軽なメニューを増やし、自宅で楽しめるよう通信販売も計画している。「お客様が自慢できるカフェに」と努力を続けている。
▼経営支援専門員の声 西部商工会産業支援センター 主任 松嶋 遼太郎
大山町の御来屋地区を活性化させたいという思いの基、「テイクアウトカフェ×映える写真×体験」をコンセプトにした事業計画を作成された西村さんの狙いは、創業後すぐに各種メディアへの取材など、多くの反響を呼ぶものとなりました。Instagramの4,800人のフォロワーへの発信力は大きな武器となっています。これからも商品と地域の魅力を発信し続ける西村さんの相談相手となり、今後の発展を後押しできるような支援を継続していきたいと思います。
【事業所概要】 ■事業所名:Kazy Coffee ■事業内容:カフェ ■住 所:西伯郡大山町御来屋867-8 ■U R L:https://www.instagram.com/kazycoffee/ |
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