地域のチカラ ~伴走支援の現場~
インパクトとこだわりの美味しさ
勝田神社近くの「OGUOGU ICECREAM」(米子市博労町1―55)は令和4年4月のオープン以来、人気アイスクリーム店として地域に活気を生んでいる。
同店は常時6種のアイス(うち1種は不定期で期間限定商品に入れ替わる)と、チョコやクッキーなど8種のトッピングをラインナップ。バニラアイスがみどり色と、インパクトあるその見た面が特徴。写真映えすると学生から家族連れまで幅広い人気ぶりとなっている。インパクトある見た目とは異なり、「トッピングした時にしつこくなり過ぎず、かつトッピングしない時のどちらでも美味しい味」を追求し、微調整を行うなど繊細に美味しさにこだわっているのが同店のアイスクリームだ。
▼誰もが笑顔になるアイスクリーム
同店を経営するのは、南部町で塗装業「Force paint」も手掛ける小倉将一代表。
米子市周辺には全国展開のアイスクリーム店やジェラート店は存在するが、特徴あるアイスクリーム専門店が無かったことから開業を計画した小倉代表。
2年前の冬にその計画を従業員に伝えた時「塗装の方は任せてください」という言葉と共に、奥さんの協力、支えも得てオープンに至った。開業時から支援担当している西部商工会産業支援センターの篠田陽子主任は「はじめは建設業者さんがアイス屋さんと聞いてびっくりしたが、支援にあたるなかで代表者さん自身で、情報収集やSNS活用などに熱心に取り組む姿勢にはこちらも学ぶものがあった」と話している。
塗装業とアイスクリーム店経営という組み合わせを異質に感じてしまうが、小倉代表は「どっちもやってて楽しいんですよね。アイスも、塗装も納得いくものを提供できた時にはお客さんは喜んでくれるので」と話す。
見て楽しく、食べておいしい。目指すのはそんなアイスクリーム店だ。「商品を手渡した時、笑顔になってくれるのが嬉しくて。楽しませたいというかワクワク感を与えたくて。それを考えながらやってるとこっちもワクワクしてくるんですよね」。トッピングをお客の目の前で行う演出もそんな思いから。子どもだけでなく、大人も楽しめる工夫で、多い時には、300人を超える来客数となった日もあるという。
▼地域の活性化に一端を担う存在へ
これまで近隣のイベントにも積極的に出店しているほか、周年記念や9月9日の「オグオグの日」、ハロウィンなどに限定商品販売や他店とのコラボ商品も手掛けている。限定商品は即完売となるものもあるなど、小倉代表が作り出すかわいらしさ溢れるアイスクリームには、リピーターも少なくない。
これまでの集客はSNSでの発信のみ。知名度はまだまだだとし、各イベント出店も認知度を高め、来店してもらうためのひとつの手段だとしている。
店舗が立地するのは、境港市内の高校に通う高校生や、境港方面からの通勤、通学者が多数乗降する、駅から徒歩2分の場所で、近くには古くから地域の人々に親しまれてきた勝田神社がある。
「駐車場を提供してくれている勝田神社さんの存在はありがたい。この店に来てもらうことをきっかけに近隣を散策してもらえれば活気も出てくるし、勝田神社の存在ももっと身近になってくれたら」と話し、「アイス屋さんの可能性はまだまだあると感じている。今後、アイス店も塗装も事業を大きくしていくには人材の育成が必要。次の展開のためにもその部分に取り組んでいきたい」と小倉代表は地域、自身それぞれの向上を目指していく。