地域のチカラ ~伴走支援の現場~
オリジナルテントや観光施設で、自然の素晴らしさ発信
手ぶらキャンプや日帰りBBQが楽しめる「DAISEN RESORT沢田ベース」を運営し、オリジナルテントを販売するTOMONARI株式会社(伯耆町岩立)。時流を読んでさまざまな事業に取り組み、山陰の自然の素晴らしさを発信している。
▼アウトドアに注目し、帆布のテントを開発
代表の焦学智(ショウ・ガクチ)さんは中国出身。岡山県の大学院を卒業後、鳥取県の観光団体に勤務し、山陰の自然の豊かさを知った。高度があり海に近い大山に「こんなにいいところはない」とほれ込んだ。
2017年、主に海外客を対象とした旅行業を起業。順調だったが、コロナ禍で2020年には訪日観光客が途絶えた。それならばと中国の人脈を活かし、CO2モニターやマスクなどを輸入して販売した。好評だったが、いずれ需要が減る。そこで、コロナ禍でも需要を伸ばしたアウトドア分野に注目し、台湾の友人とテントブランドを立ち上げた。
テントは日本では珍しい綿帆布製のロッジ型で、防水性や通気性を高めて日本向けに設計。大山の沢から沸く水が田を潤すイメージから「沢田テント」と名付け、青やピンクなど個性的な色と綿の快適さで、人気を集めている。
▼体験を通して楽しめる場所へ 変化を続ける
さらに焦さんには「大山が見える場所でアウトドアと観光、訪日客(インバウンド)が融合した観光施設を作りたい」との願いがあった。それに応えたのが伯耆町商工会の長谷川由美子主任。事業再構築補助金、持続化補助金等の申請支援、展示会の紹介、専門家を招いての販路開拓などで後押しした。焦さんは「簡潔なアドバイスが心強く、前に進めました」と話す。
資材の高騰などを乗り越え何度も計画を練り直し、2023年4月、沢田テントでの宿泊体験ができる「沢田ベース」を開業。梅雨で来場者が落ち込んだ時には、利用者の声から幼児向けプールやドッグラン、キャンプファイヤー場を整備。アクティビティを増やし、宿泊優待券も配った。秋には利用者が増え、のぼりを見てコーヒーを飲みに立ち寄る客も。テント泊での企業研修や結婚披露宴など、想定外の利用もあった。
焦さんは「コロナ禍を経て、中国の旅のニーズは変わった」と話す。大都市の観光だけでなく、地方での体験を通じて歴史や文化を知る旅が注目されている。ニーズに応えさらに体験を増やそうと、沢田ベースは変化を続けている。
▼経営支援専門員の声 西部商工会産業支援センター 主任 長谷川 由美子
コロナの影響により主力であったインバウンド旅行手配業の売上が激減したことにより、自社の強みを生かした新たな収益の柱を立てる取組について支援したのが始まりでした。長引くコロナ禍において、感染症対策グッズの輸入取引販売、キャンプ場のオープンなど新規事業に取組む焦代表の想いは「日本と中国の架け橋になりたい」。キャンプ場の安定的な運営に向けて、引き続き商工会は支援をしていきます。
【事業所概要】 ■事業所名:TOMONARI㈱ ■事業内容:インバウンド総合サービス事業、 EC販売事業、アウトドア事業 ■住 所:(本社・沢田ベース) 西伯郡伯耆町岩立字大和田16-9 (事務所) 米子市茶町44森本ビル3F ■連 絡 先:TEL 0859-30-4988 ■U R L:《TOMONARI㈱》 《DAISEN RESORT沢田ベース》 https://sawadabase.com/ |
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