地域のチカラ ~伴走支援の現場~
省エネ、防災で高水準を実現
㈱MRホーム(西伯郡日吉津村今吉四六七、江田圭豪代表取締役)は、地元に根付いた経営を主軸としており、山陰特有の気候を考慮した住居建築にこだわっている。
江田社長はこのこだわりを求めて平成23年に独立。「理想は耐震等級、断熱性能等級が最上級の家づくり。企業に属していると制約も多いですから、自分の職人魂を貫きたいなと考えて独立しました」と話す。
▼山陰に特化した独自構造住宅を手掛ける
木造住宅の建築工事をメインにリフォームや家具、造園の設計や施工を展開してきたが、平成28年の鳥取中部大震災を期に耐震等級に着目した。
江田社長は「構造そのものに加え、窓やボルトに至るまで安全性をより重要視した家づくりを目指そうと考えました」と話す。
そして安心と安全、住み心地の良さを両立することを同社のコンセプトに。競合他社も同様の取り組みを進めているが、同社は山陰特有の気候に対応するために耐震・耐熱基準を平均水準よりも高く設定。その結果、多くの仕事が舞い込み、同社が手掛けた住居で生活する顧客からも高評価を得ている。
そしてそのこだわりを体感してもらうべく、同社は江田社長の自宅を実験台としてモデルハウスの建築も同時並行し、3年を費やして今月ついに完成。
山陰に特化したモデルハウスということで、米子日吉津商工会の支援も最大限に活用したという。「共に事業計画を策定し、各種補助事業申請や会社の広報活動に関する支援を頂きました。会社の大きな飛躍に繋げて頂いております」と江田社長。
すでに見学会の会場として開放中で、このモデルハウスは鳥取県が推進する国の基準を超えるとっとり健康省エネ住宅『NE―ST』の基準値においても最高ランクを満たしている。江田社長は完成に至るまで全国で情報収集を続け、構造情報や資材を確保したという。
「自然災害に強い構造を維持し、省エネ基準を満たすのか。各地で仕入れた情報を基に山陰の土地に合わせて取り入れ、ようやく完成しました」と振り返る。
▼お客様が安心して暮らせる家を目指す
2階建ての住居は建物が吹き抜け構造となっており、中段に設置されたエアコン1台さえあれば真冬でも家中が暖かく、真夏であれば涼しくなるように空気が循環される。
通常であれば空気を循環させるために専用の機械を屋根裏などに設置する必要で、相応にコストがかかり、メンテナンスも困難だという。
しかし同社では機械を使わない構造を構築し、不備が起きても簡単に修繕できるよう配置まで心がけている。江田社長は「『高性能な家だから高価になる』ということはない。知恵と工夫でお客様に高品質なサービスは提供できる」と力を込める。
そして今後について江田社長は「売上云々は考えず、お客様からの信頼で経営が成り立つように。お客様のことを考えて取り組んできた結果が今に繋がっていますから、『山陰で家を建てるならMRホームで』と言われるような会社にいつの間にかなっていることが理想です」としており、一つ一つの仕事に丁寧に向き合っていく姿勢だ。
【出典】株式会社 山陰政経研究所 旬刊政経レポート令和6年3月5日号
▼経営支援専門員の声 西部商工会産業支援センター 主任 西村 陽平
代表取締役社長の江田氏は2016年の鳥取県中部地震を機に「“家づくり”は何年経っても住む人を守り続けなくてはならない」を目指して、安全な家づくりを追求されています。商工会の支援のキッカケは「耐震、断熱の性能向上に懸ける想いと建築資材選びのこだわり」を広く周知していきたいとの事からでした。補助事業を活用し、新聞や情報誌など広く周知・PRを行いました。今後も商工会では、さらなる事業飛躍の支援をしてまいります。
【事業所概要】 ■事業所名:㈱エム・アール・ホーム ■事業内容:木造建築工事業 ■住 所:西伯郡日吉津村今吉467 ■連 絡 先:TEL 0859-21-7510 ■U R L:https://www.mrhome.co.jp/ |
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