地域のチカラ ~伴走支援の現場~
時代に合わせて設備や形式を変え、おもてなしの心でファンを増やす
琴浦町で人気の「ビジネスホテルサンシャインとうはく」。コロナ禍で宿泊者数が落ち込んだが、時代の変化に沿って改良を重ね、さらに魅力を増している。
▼宿泊客減に様々な改革で対応
有限会社サンシャインとうはくが1989年に創業し、主にビジネス客を中心に安定して営業を続けていた。しかし2020年からのコロナ禍で、緊急事態宣言が出るなど国内移動が大きく制限された。宣言の解除後も多くの会社が出張を控え、観光も戻らず、宿泊客が激減してしまった。
そこで商工会に相談し、専門家派遣を活用。現状を分析してもらい、ネットでの集客に力を入れることや、朝ごはんの定食をバイキング形式にすることなどを勧められ、取り入れた。
さらに、ビジネス客のために、日中に好みの時間数で部屋を貸し出す「デイユースプラン」を新設。テレビとは別にリモートワーク用の大きなモニターを備え、机やイスのサイズなどを改良し、コンセントも増やした。観光客対策としては、それまでなかった4人で泊まれる広い部屋や、ゆったりしたベッドの部屋など、ワンランク上の滞在を提供できるようにした。
▼もっと滞在を楽しんでもらいたい
数年かけてリニューアルを終え、本格的に稼働すると、ビジネス客の数はコロナ禍以前の水準に近づいた。なじみ客から「設備がすごくよくなったね」と嬉しい声も。朝食も大好評で、季節の海の幸やサラダ、卵料理、スイーツなど、品数は35種類を超える。手作りにこだわり、梅干しや塩こうじまで自家製だ。
海外や県外からの観光客も増え、周辺の見どころについて尋ねられることも。代表の足立利香さんは「ここが情報の発信地になれば」と話し、きさくに泊り客に話しかけて要望をくみ上げている。宿泊後に手紙が届くことも多く、「おもてなしの気持ちが嬉しかった」「必ずまた来ます」など、旅先でのふれあいに感激する人が多い。
「設備では大手のホテルにかなわない。だからサービスに力を入れています」と足立さん。滞在中にもっと楽しんでもらうため、ホテルを起点にレンタサイクルやレンタカーを利用できるように、準備を進めている。
商工会とは、補助金の活用や情報提供などでこまめにやり取りを重ねている。「たくさんお世話になってます。足を向けて寝られません」と足立さんは笑う。設備やスタイルを変えても、もてなしの心は守りつつ、笑顔で客を迎えている。
▼経営支援専門員の声 中部商工会産業支援センター 主任 矢木 幹人
「じゃない方の浦安」駅から、真直ぐ海岸へ向かうと町内唯一のビジネスホテルが見えてきます。コロナ禍(利用客が減少)、事業再構築に向けた足立社長の戦略の具現化に向け、環境分析(顧客ニーズの現状と今後)から始まり事業の方向性を検討(実現可能性)、施策活用も視野に入れ事業計画策定支援を実施しました。今後も足立社長の想いに寄り添い持続的発展と自走化に向けた伴走支援を行ってまいります。日本海を眺めながらのワーケーションに是非ご利用下さい。
【事業所概要】 ■事業所名:有限会社サンシャインとうはく ■事業内容:宿泊業(ビジネスホテル) ■住 所:鳥取県東伯郡琴浦町徳万437-10 ■連 絡 先 :TEL 0858-53-2220 ■H P:https://ss-touhaku.com/ |