地域のチカラ ~伴走支援の現場~
幸せの循環を生む、地元産フルーツタルト
地元産の新鮮なフルーツが盛られたタルトが、色とりどりにずらりと並ぶショーケース。2023年4月にオープンしたフルーツタルト専門店の「Kite」は、遠くから買い求めるファンや地元のお客さんでにぎわっている。人気の秘密は、美しい見た目や味はもちろんだが、それだけではない。
「本当に美味しいフルーツを使って作っていて、素材の良さやこだわりも伝わったらいいなと思っています」とパティシエで店長の河本博美さん。一組ずつの入店に限っており、素材の産地や状態、味などを説明。一組一組に、丁寧にタルトを届けている。
経営する有限会社むらさきは、1987年に青果の卸・小売業として創業。道の駅はわいに農産物直売所、さらに飲食・ジェラート店の「アロハカフェ」も始めるなど、地元産の青果や農産物を豊富に仕入れられる強みを活かしてきた。特に、関西のホテルなどでパティシエとして経験を積んだ長男・海人さんがつくるジェラートは評判を呼んだが、順調だった矢先にコロナ禍に直面した。
「めっきり観光客が減り、巣篭もりの傾向が強まった。もっと地元の人にも喜んでもらえるお店を作ろうと思い、うちのフルーツを使ったタルト専門店はどうかと思いつきました。もともと先代の父が喫茶店をしていたスペースを改装し、オープンしました」と、村﨑知樹社長。
現在海人さんは海外のレストランで勤務しており、タルトづくりを受け継いだのが店長の河本さん。関西でパティシエとして10年働いた経験があり、求人を見つけて挑戦を決めた。「もともとお客さんとしてKiteのタルトを買いにきていて、こんなタルトが鳥取で食べられるなんてって感動したのが最初で、タルトは一番好きなお菓子なんです。ここなら自分が思い描くものを作ることができると思いました」
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湯梨浜町産のシャインマスカットや梨、ブドウ、メロン…。仕入れ力を活かして旬のフルーツをふんだんに使ったタルトは、営業日のたびに閉店までに売り切れてしまう人気ぶりだ。「Kiteでタルトを作るようになって、鳥取ってこんなにフルーツが豊富なんだと知りました。タルトもあえて高単価にしています。地元の生産者さんにそれくらいの価値があると思ってもらい、自信や誇りにつなげてもらえたら嬉しいと思っています」
卸・小売業で紡いできたものは、タルトを通して生産者からお客さんへと広がっていく。幸せの循環を生む、そんなタルトだ。
▼経営支援専門員の声 中部商工会産業支援センター 主任 村中 智美
青果の卸・小売業を営んでおられ、直売所、カフェ、タルト専門店など展開をされています。今回オープンされたタルト専門店においても、地元食材の旬や魅力を最大限発揮することに加え、思いのこもったお菓子を訪れたお客様にゆっくりと選んでもらえるよう「会話」の時間も大切するお店作りをされています。
地元農家や事業者、そして顧客との繋がりを大切する、その姿勢こそが、同社が愛される魅力だと思います。
商工会はこれからも地域の事業者様に寄り添った支援を行います。
【事業所概要】 ■事業所名:有限会社むらさき/ フルーツタルト専門店「Kite(カイト)」■住 所:鳥取県東伯郡湯梨浜町久留131-4 ■H P :「Kite(カイト)」インスタグラム https://www.instagram.com/kite.yurihama/?hl=ja |
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