地域のチカラ ~伴走支援の現場~
本格中華を気軽に 町に愛される中華の名店
日南町で唯一の中華料理店「蓬莱」は、県外からもファンが集まる人気店だ。おいしい中華料理を手頃な価格で提供し、地域の食べる楽しみを支えている。
▼商工会の知恵を借り、魅力的な店舗に
先代が創業したのは1964年。豚まんで有名な「551蓬莱」の前身である大阪の中華料理店などで修業をし、日南町に戻って開店した。「蓬莱」の名をもらい、修行先で使用していた品質のよいラードや調味料を使った本格的な広東料理を提供している。
2017年には、二代目の大谷達也さんが後を継ぎ、先代の味を守りながら、ピリ辛系など新メニューも増やした。
柔らかく香ばしい唐揚げ定食や、野菜のうまみが溶け合う塩チャンポンなどが人気。カレー味の中華丼など蓬莱ならではの品もあり、熱烈なファンを生んでいる。2階の座敷を使った宴会や、持ち帰りのオードブルの利用も多い。
商工会とのつきあいは創業当時から。補助金を活用し、店舗の改装も進んだ。1階の調理場から2階へ料理を運ぶリフトを改修し、素早く安全に料理を提供できるようになった。子上がりの座敷は掘りごたつに変え、机と机の間に天井から降ろすロールスクリーンを設置し、子連れの客が隣に気兼ねなく楽しめるように。法事などで利用できるコース料理も新設した。
遠方からの客も多いが、ホームページやSNSでの情報発信をしていないため、急な休業を知らせることが難しかった。そこで、商工会の勧めで、ネットの地図アプリで検索した際に、臨時休業なども表示できるサービスを活用することに。負担を増やしすぎず、情報発信が可能になった。
商工会は頼りになる存在だという。大谷さんは「これから先、そのサポートがもっと大事になる気がします。ダメになる前に、一手を打てるのは大きい」と話す。
▼日南町で営業を続ける使命感
今年で創業60年を迎え、先代の頃の客の、子供や孫世代が来店してくれることも増えた。
大谷さんが大事にしてきたのは「お客さんに満足してもらうこと」。老舗となった今、何らかの形で町に還元したい。町内の飲食店は減りつつあり、「少なくとも私の代では、店をなくしたらいけんのかな、と思っています」。人気っぷりに、もっと人の多いところに出店しないか、との誘いもあったが、日南町で営業を続けることを選んだ。
先代は「近くに他に中華料理店がなくラッキーだった」と話していた。大谷さんも同じ思いだ。ただ、人口が減る中、この先も同じように営業できるかはわからないから、長男には「店を継がなくてもいい」と伝えていた。しかし、長男は「跡を継ぎたい」と4年前から店に加わっている。妻と、従業員とも力を合わせ、味を守り、伝え続ける。
▼経営支援専門員の声 西部商工会産業支援センター 主任 田仲 玲子
創業60年の「蓬莱」は日南町商工会の隣にあります。
コロナ・物価高騰など厳しい状況を乗り切る為の相談があり、ニーズに合わせた店舗改装や省力化対策について補助金活用の支援を行いました。また情報発信の必要性について提案したところ、今ではGoogleビジネスプロフィールで店舗情報の発信やコメント返信をご自身でされています。
環境変化に柔軟に対応される大谷さんの身近な相談相手として、商工会はサポートを続けていきます。
【事業所概要】 ■事業所名:蓬莱 ■代表者:大谷達也 ■従業員数:3名(従業員1名・専従者2名 ) ■業 種:中華料理店
■住 所:鳥取県日野郡日南町生山734
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