地域のチカラ ~伴走支援の現場~
自然の負担を減らして長期利用
こだに林道(鳥取市佐治町津無五九二、小谷洋太代表)では、智頭町を拠点に森林の作業道をつくり、整備している。
作業道は、トラックや林業用重機の山へのアクセスを容易にし、森林の整備や林産物の搬出に必要となる道路である。
「革靴でも入山できるように、治水を考えた丁寧な作業道づくりを心がけています。必要最小限の重機利用で、自然への負担を減らし、豊かな森林を未来へ繋いでいきます」と小谷代表。
近年は、国が低コスト林業を推進するため林業用機械の大型化が進み、山腹を大きく掘削する大規模整備を行うエリアが増えている。地形によっては自然へのダメージが大きく、ゲリラ豪雨などの影響で作業道が1~2年で崩落、土砂災害の原因にもつながるのだと同代表。
拠点にしている智頭地域でも、急傾斜な山林が大部分を占めるため、災害を未然に防ぐ森林整備が求められているそうだ。
そのため、「大橋式作業道」を採用し整備しているこだに林道が活躍している。この作業道は、山の地形や水の流れを計算し、「自然へのダメージを最小限にした長年使える作業道」だという。3tトラックが入るギリギリの横幅、掘削は最深部で1・5㍍を超えない道路設計。さらに、道に雨が降りにくくするため、作業道上空の木の枝を残すように、伐採する木を選定し、治水まで考えられた作業道になっている。
同代表は「大橋式の掘削が1・5㍍未満というのは木根の長さを超えないためです。木根が土地を支えるので、これを超える掘削を行うと、土砂災害の危険性が高まります。大規模林業はコストを抑える面で重宝しますが、自然に大きなダメージが残る。地形や地域によっては、私たちのような小規模林業を選択する必要があります。林業も棲み分けが大切になっています」と話す。
大橋式作業道づくりは、大規模な作業道作設より時間もコストもかかるが、山林所有者が費用負担することのないように整備を行うという。
整備の際に伐採する立木を可能な限り木材として市場へ搬出し、未利用材は作業道補強の丸太組路肩補強工として利用。
さらに、商工会の持続化補助金を利用して新たにチェンソーやウィンチを購入したことで、従来なら拾い上げられなかった木材を市場に搬出し整備費用に充てることができるようになったそうだ。
「山の所有者には、『山は資産』だと再認識してほしい。きちんと山を手入れし、地域で守っていけば、後世にもつながる資産になります。大規模伐採で木材を目先のお金にすることもできる。でも、長期間管理し、持続可能な資産にもできます。私たちは、隣接所有者や、町の文化的景観を配慮した上の整備を行い、長期資産管理できる山林整備案を提示します。所有者の方に気持ちよく、次に繋げられる森づくりをしていきたい」とした。
【出典】株式会社 山陰政経研究所 旬刊政経レポート令和6年11月25日号
▼経営支援専門員の声 東部商工会産業支援センター 主任 濱﨑 和幸
こだに林道さんは創業当初から商工会が支援を行っており、創業計画書作成を皮切りに、設備導入支援や決算書作成、労働保険手続きなどサポートしてまいりました。
ご自身の事業展開だけでなく、地域の景観や山林所有者の資産形成にも配慮した作業道作りや森林整備を通し、山林所有者からの信頼を得て受注にも繋がっています。
商工会は、身近な相談相手として、着実に事業を展開していく小谷さんを今後も継続してサポートしていきます。
【事業所概要】 ■事業所名:こだに林道 ■代表者:小谷 洋太 ■業 種:森林作業道作設・特殊伐採・花木生産 ■住 所:鳥取市佐治町津無五九二
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