地域のチカラ ~伴走支援の現場~
ファンに支えられる発信力 企業コラボで活躍するVTuber
今年2月に設立された(同)スタジオビーチ(日野郡江府町武庫四五〇―一、資本金二〇〇万円、小林大二代表)では、VTuberの「おたねちゃん」とパートナーシップを締結し、プロデュースを行っている。
VTuber(ブイチューバー)とは、2DCGや3DCGで描画されたキャラクターを用いて動画投稿や生放送を行う配信者。2016年の登場以降、日本だけではなく世界各国で人気を博するコンテンツになっている。国内市場規模は2020年度の144億円から4年で約5倍の800億円規模と、右肩上がりの市場だという。
VTuberの「おたねちゃん」は鳥取県在住の女性VTuberで、江府町公認VTuberや『とりたべローカルインフルエンサー』として活動している。キャラクターは鳥取市の多鯰ヶ池『お種伝説』がモチーフだ。ファンの間では多鯰ヶ池が聖地とされ、実際に訪れるファンもいるようだ。
おたねちゃんと小林代表とは、県内のVTuberが集まるWEB会議で知り合い、「地元を盛り上げよう」と意気投合。小林代表のプロデュースもあり今では、中四国初の「ガソスタむすめ」に就任したり、三朝温泉で「温泉むすめプロジェクト」とコラボするなど、活動の場を広げている。
「ガソリンスタンドという、付加価値を出しにくい分野でも、『ガソスタむすめ』という推しキャラがいたり、コラボ商品があったりすることで他社と差別化を図る事ができます。企業が新しくコンテンツを作り広告するよりも、すでにファンを獲得しているキャラやVTuberとコラボする事で、再現性の高い広告が可能です。実際に多くのファンが立ち寄っているようです。もっと多くの企業に、スタジオビーチがもつ求心力・発信力を活用してもらいたいです」と小林代表。
同氏は、地域おこし協力隊として令和3年に愛媛県から赴任し、江府町公認YouTuberとして広報を担当していた。ドローンを用いた撮影を取り入れ、3年連続で全国広報コンクールに入選するほどであった。地域おこし協力隊を卒業後も「広報やプロデュース業に携わりたい」との思いがあり、江府町商工会に補助金や事業計画書の相談を行いながら、同社を立ち上げたそうだ。
今後は、来年の巳年にちなんだ「おたねちゃん」の新たな展開を計画しているほか、VTuberオーディションを行い、地域に根差した新キャラの誕生、聖地化などによる地域活性化も試みるようだ。
最後に、「多くの人に認知してもらうことで、ファンが増え、更に発信力が強くなるビジネスモデルです。人口最小県の中でも最小自治体の江府町からでも全国・世界に発信する事ができます。田舎にいても活躍できる事を証明していきたい」とした。
【出典】株式会社 山陰政経研究所 旬刊政経レポート令和6年11月5日号
▼経営支援専門員の声 西部商工会産業支援センター 主事 福光 勇蔵
愛媛県から地域おこし協力隊として江府町移住した小林さんへは、創業相談から商工会が支援を行っています。私の小林さんへの支援のきっかけは補助金相談でした。その内容はご当地キャラクターを活かした事業をさらに発展する為の計画でした。キャラクターとのコラボ店に県内外からお客さんを集めていることに驚きました。残念ながら補助金は採択されませんでしたが、小林さんの「人口2500人の町から全国に通じる企画・作品をつくる」という目標を応援し、今後も支援を続けていきたいと思います。
【事業所概要】
■事業所名:合同会社スタジオビーチ
■代表者:小林 大二
■業 種:広告業
■住 所:鳥取県日野郡江府町武庫450番地1