地域のチカラ ~伴走支援の現場~
手軽にノンカフェインのカフェオレを
琴浦町で自家焙煎珈琲を楽しめるワク珈琲は、中本純さん、友香さん夫妻が開いた店だ。客の声を聞き、需要を実感して開発したノンカフェインのカフェオレの素は、予想を超える売れ行きに。2人は、自由なコーヒーの楽しみ方を、町の魅力と共に発信している。
▼カフェインを調節し、コーヒーを楽しめたら
中本さん夫妻は愛知県から2014年にUターンし、大好きなコーヒーの店を開くことに。そこでこだわったのは、ノンカフェインのコーヒーだった。
Uターンの2年前、妊娠中の友香さんは、カフェインのためコーヒーを避けていた。当時はノンカフェインのコーヒーも珍しく、満足できる代替品も見当たらなかった。
しかし、開店準備を進める中で、カフェインをほぼ除去した生豆を見つけた。「これなら妊娠中でも飲める」と喜んだが、普段通りに焙煎すると、味が物足りなかったり、焦げてしまったり。何度も挑戦して、普通の豆と変わらない深い味や香りが出せるようになった。
2021年1月にワク珈琲を創業し、イベント出店などを始めたが、当初からノンカフェインのコーヒーも提供している。ショッピングセンター内の移動式店舗を経て、2023年には現在の場所に店を構えたが、予想より多くの客が、カフェインを気にしていた。「飲みたいが眠れなくなる」「コーヒーの香りは好きだけどカフェインが苦手」など、男女問わず悩んでいる人も。そこで、体への影響を考えて摂取量を調節する「カフェインマネジメント」に本格的に取り組むことにした。
▼琴浦町の魅力を届けたい
そして開発したのが、ノンカフェインのカフェオレの素だ。カフェオレと相性がいいコロンビア産の豆を丁寧に焙煎した。牛乳と混ぜるだけで、簡単に本格的な味わいを楽しめ、子供や年配の人でも飲みやすい。500㏄税込み1500円で、今年2月に店舗やネットショップ、道の駅琴浦などで発売すると、予想を超える人気商品になった。いずれは県外や中国、香港など海外へも販路を伸ばす予定だ。
商工会とは創業からの付き合いで、カフェオレの素では、広報や価格設定など販売戦略を共に練り上げた。純さんは「苦手なところや手が回らないところへのサポートが強力で、本当に助かりました」と力を込める。その結果、テレビや新聞などの取材が増え、多くの人に商品が届いた。友香さんも「心強く、ありがたい存在です」と話す。
琴浦町で店を開いたのは、純さんの出身地である同町を盛り上げたかったから。町役場の若手職員と共に、地元ブレンドを開発したり、様々な飲食店が集うコーヒーフェスタを町役場で開いたり。「これからも琴浦町に注目してほしい」と、町が沸く仕掛けを続け、情報を発信していく。
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▼経営支援専門員の声 中部商工会産業支援センター 主任 日置 法枝
いつも明るく前向きで、周囲を楽しませてくださる中本ご夫妻。肩肘張らず、「気軽に・楽しく」迎えてくれる中本さんのお店には、いつも人が集まり、心地よい空間が広がっています。商工会からの提案にも快く応じてくださり、支援する側もワクワクしながら、一緒に進めることができました。今回の新商品をきっかけに販路が広がったことを、心から嬉しく思います。これからも、中本さんの身近な相談相手として、寄り添った支援を続けてまいります。
【事業所概要】 ■事業所名:ワク珈琲 ■業 種:自家焙煎珈琲の販売 (テイクアウト、豆) ■住 所:鳥取県東伯郡琴浦町赤碕1574番 ■H P:https://wakucoffee.stores.jp/ |
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