地域のチカラ ~伴走支援の現場~
観光客も地元住民も集まる現代のお茶屋
その昔、上方往来の茶屋として栄えたように、多くの人が行き交う「道の駅清流茶屋かわはら」。鳥取道の河原ICから近く観光客が多数来場するだけでなく、国道53号沿いで地元住民にとっても買い物や憩いの場として愛される場所になっている。年間来場者数は125万人を誇る。道の駅としては県内随一の土産物の品揃えを誇り、一昨年にはパン屋もオープン。「みんなが立ち寄れ、それぞれの目的で楽しんでいただけたら嬉しいです」と、物産館「鮎遊座」店長の前田俊明さん。まさに現代の茶屋として賑わいを見せている。
▼物販だけじゃなく観光体験に
趣のある外観。中に入れば、直営の物産館には鳥取県だけでなく兵庫県北部の商品までずらりと並ぶ物産館に、野菜直売所、食事処、ソフトクリーム屋、お好み焼き屋…。大人から子どもまで、立ち寄るだけで楽しい場所だ。
「物を売るだけじゃなく、物産を通じてここが観光体験になるようにしたいと思っています。ですので、仕入れるものはできるだけ実際に生産者さんに会いに行き、自分で食べてみたりしています。作り手や味の感想など、地域の魅力をより直に伝えるとお客さんへの伝わり方が違いますから」と、前田さん。
昨年秋は商工会が主催したリアル交流商談会に参加し、18社の事業者と商談して6事業者と取引を始めた。来場者のうち6割が商品を購入するといい、お客さんの満足度が高い理由もわかる気がした。
▼コロナ禍を打破するためパン屋開店
それでも、コロナ禍は先行きが見えず苦労した。道の駅として最低限立ち寄れるようにトレイだけは解放したが、それ以外は一カ月間、全て店を閉めた。打開策として事業再構築補助金を活用し、一昨年秋にオープンさせたのが直営のパン屋「清流パン工房」。今や常連客も増え、人気店となった。
「テナントが撤退したタイミングで場所も空いていたこともあり、コロナ禍の状況をなんとかしたいという気持ちでした。お客さんにも徐々に認知していただき、『あのパンがおいしかったからまた来たよ』と言ってもらえるようになりました」と店長の川口桃子さん。
中でも一番人気はビッグハチミツバターパンで、今後は地元食材を使ったメニューの開発も進めていきたいという。
「ここでパンを買って、コーヒーを買って、朝からゆっくり過ごされる地元の方もいれば、観光客の人にも鳥取のお土産を楽しんでもらっています。これからもお客さんとのつながりを大切にしていきたい」と二人。これからも鳥取の魅力を届け、憩いの場であり続ける。
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▼経営支援専門員の声 東部商工会産業支援センター 主任 景本 篤史
「道の駅清流茶屋かわはら」は、鳥取の魅力を体感できる観光拠点であり、地域の憩いの場でもあります。より多くの人に愛される場所を目指し、商工会では焼きたてパンの香りに包まれる工房の事業計画作成支援や、地元食品製造者との出会いの場づくりを行ってきました。これからも事業者さまの想いに寄り添いながら、一緒に地域の魅力を育んでまいります。
【事業所概要】 ■事業所名:株式会社ドリームかわはら/ 道の駅清流茶屋かわはら ■住 所:鳥取市河原町高福837 ■電 話:0858-85-5331
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