地域のチカラ ~伴走支援の現場~
居心地のいいカフェを
大山の中腹から山頂を眺め、木々の緑を前に深呼吸できるカフェがある。抜群の環境にあるカフェうさぎや(伯耆町)は、スイーツからしっかりした食事まで揃う幅広いメニューと、代表の入江幸代さんのきさくな人柄で、繰り返し訪れたくなる店だ。
▼新鮮なブルーベリーをスムージーで
入江さんは、親族が営む居酒屋で30年間勤務して調理と接客の腕を磨き、念願のカフェを2019年4月に開店した。商工会との付き合いは準備を始めた頃からで、「何もわからなかったので、全部相談しました」と入江さん。セミナーを紹介してもらったり、店の設備を整えるための補助金を教わったり。コロナ禍で経営が苦しかった時も、「商工会の支援のおかげで生き延びてきた実感がある。頼りにしています」と笑う。
店の一番の魅力は「大山だと思う」。晴れていれば、店内からも木陰のテラス席からも大山を眺めることができる。山の中腹で夏でも涼しく、目に染みる緑とおいしい空気で一息つける。店で一番人気のブルーベリースムージーは、飲みごたえがあり、さわやかな果実のうまみを味わえる。カフェの隣に家族が経営するブルーベリー農園があるため、新鮮さも折り紙付き。大粒で甘い実をぜいたくに使っている。アイスクリームで作るウサギを乗せたパフェも大好評で、アイスや牛乳は、地元の大山乳業のものを使っている。
▼野菜たっぷりで体も元気に
お昼時は、野菜や山菜がたっぷりのうさぎやランチや、コーヒーとケーキもついたうさぎや御膳が人気。自家菜園の野菜をふんだんに使い、「食べて元気になった」と話す客も。季節によってブルーベリーご飯やグリンピースご飯などカラフルなご飯も楽しめる。ちゃんこ鍋(夜のみ、要予約)は、鶏肉や豚肉、白身魚、エビ、つみれなど具だくさんで、うどんやラーメンの後に雑炊で締めくくれば、満足のため息が出る。
眺めにひかれた観光客はもちろん、地元の人が親せきと集まったり、会合を開いたりと、どんな用途でも利用しやすい。居心地の良さに長く滞在する客も多く、毎日のように通う人も。入江さんも「お客さんと話して元気をもらってます」と積極的に話しかけ、交流を深めている。
今後は夜の集客に力を入れようと、近くのホテルと提携し、泊り客に夕飯を食べに来てもらう試みも始めた。店内はくつろげる座敷が中心だが、椅子を希望する客もいるため、椅子席を増やすことも検討中。多様な顧客に満足してもらうため、商工会に相談しながら改良を続けている。
▼経営支援専門員の声 西部商工会産業支援センター 主任 石﨑 修平
創業から今日まで、複数の経営支援専門員が継続的に支援してきました。物価高騰やコロナ禍など多くの困難に直面しながらも、「お客様に喜んでいただきたい」という強い熱意で事業を続ける入江さんには、私たちも常に感銘を受けています。補助金活用や販路拡大、資金相談など、多岐にわたる課題解決を共に歩めたことを嬉しく思います。これからも、経営の安定と発展を全力でサポートしていきます。
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【事業所概要】 ■事業所名:カフェうさぎや ■業 種:飲食業 ■住 所:鳥取県西伯郡伯耆町小林644-3 |
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