地域のチカラ ~伴走支援の現場~
米子西日本㈱が工場新設
需要が高まるEV部品を製造する
米子西日本㈱(西伯郡南部町阿賀六九九―三、岡本浩三代表)では、今年の3月に工場を新設した。新工場(同町阿賀三七五―一)は、鉄骨造2階建て、延べ一〇五八平方㍍。県道180号に面しており、米子西ICからアクセスしやすくなっている。
同社は、西日本商工㈱(大阪市)の子会社で、主に自動車産業用ガラスに使われる電子端子を製造。グループ会社で半田付けや組立を行い、全国のガラスメーカーに部品を卸している。
この新工場では、自動車電気配線を束ねた「フラットハーネス」の製造に新たに取り組み、来春の増産も予定されている。製造されているフラットハーネスは、フロントガラスの融雪用熱線や調光ルーフガラスなどに使われる部品。3重構造になっているガラスの中層に差し込まれ、中に入っている電熱線の給電に用いられる。
北欧車メーカーでは、フロントガラスに融雪用熱線が入ったものが多いが、日本ではあまりなじみがない。しかし、電気自動車の普及に伴い、需要が増えると、岡本裕文取締役。「2030年には、車の販売台数の約40%が電気自動車になると言われており、融氷・融雪機能がエンジンの暖気から、通電によるフロントガラスの発熱方法へ変更になりつつあります」とした。中国のグループ会社でも同じようなハーネス製品を作っているが、新興感染症や関税問題などのカントリーリスクを避けるため、国内製造を行うこととなったそうだ。「ゼロからの製品開発でしたが、自社で自動化装置の開発製造を行ってきた強みを生かし、なんとか生産にこぎつけました。ライン製造を行うので、かすかな誤差が、100個目、1000個目になると大きな差になってくる。そこを調整し精度を高めるため、試行錯誤の連続でした」と岡本取締役。
最後に「フラットハーネスの増産で、10名ほどのエンジニアの雇用を計画しています。地域柄、なかなか人材が集まらず、若返りもできていないのが課題ですが、採用に力を入れ、IUターンしやすい環境も整えていきます」とした。
【出典】株式会社 山陰政経研究所 旬刊政経レポート令和7年8月25日号
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【事業所概要】 ■事業所名:米子西日本株式会社 ■業 種:電子部品・デバイス・電子回路製造業 ■住 所:本社工場:鳥取県西伯郡南部町阿賀699番地3 新工場: 鳥取県西伯郡南部町阿賀375番地1 |

















