地域のチカラ ~伴走支援の現場~
移住夫婦が営む若桜町唯一の本屋。
本のある暮らし、出会いの拠点に。
道脇の水路が心地よい音を鳴らす若桜町の仮屋通りに、東京から移住した夫婦が営む本屋「鳥の巣」が昨年10月にオープンした。「本は、読むだけで自分がいる世界ではない世界を見せてくれる。知らないことを知ることができ、それまでになかった感覚を得ることができます。多くの人にそんな出会いを楽しんでもらえたら」と代表の小濱奈央さん。読書会など本を通じて交流が生まれる機会を作ることや、将来的には飲食店も兼ねたお店にしていく夢も。風情ある宿場町でやりたいことを少しずつ形にしている。
▼移住して本屋を開く夢を叶える
鳥取市出身の夫・雄史さんはIT企業で働き、神奈川県出身の妻・奈央さんは翻訳の会社で勤めていた。移住は、本好きの奈央さんの夢でもあった本屋の開業を考えてのことだった。
「大学時代から個人が本屋をする独立系本屋をしてみたいと思っていました。夫の地元に住むことも考えていた頃、若桜町がそば屋開業を目指す地域おこし協力隊を募集していたんです。経営のことを考え、本屋だけでなく、飲食店も兼ねたお店がいいなと思っていたので、『これだ!』と思いました」
昨年3月に移住。雄史さんはそばの生産やそばづくりの修行をしながら、奈央さんが先行して本屋を開くことにした。挑戦には、商工会の存在は大きかったという。
「今の店舗があるチャレンジショップも商工会に紹介してもらったし、資金計画やプレスリリースの作り方も丁寧に教えてもらいました」
現在は土日のみ営業(正午〜午後4時まで)。店舗の営業だけでなく、地元図書館への卸しも請け負うようになり、着実に根を張っている。
▼新たな出会いを生む場所に
エッセイ、紀行文、台湾や韓国文学、地元出身作家の本…。店には、奈央さんが選書した500冊の本がずらりと並ぶ。
「大学時代にはさまざまな人の暮らしや生き様を知ることができるエッセイを好きになり、哲学にもハマりました。基本的には私が面白そうと思った本を一冊ずつ仕入れているんです。少しずつ変わる棚にして、その都度、本との出会いがあったら嬉しいです」
若桜町出身で、映画「ルート29」の原作者である中尾太一さんの本も置くなど、その場所や自分たちならではの本屋としてその“色”をつくっている。思わず手に取ってみたくなる本が多く、県外から足を運んでくれる人もいるという。数年後にそば屋を併設したブックカフェを開く目標に向けて、日々奮闘中だ。
「読書会とか本にまつわる活動もしたい。本を通して知らない世界との出会い、人の出会いが生まれる場所を作っていきたいですね」
▼経営支援専門員の声 東部商工会産業支援センター 主任 西尾 崇志
小濱さんご夫婦とお話していて感じることは「本当に本がお好き」ということです。その想いが原動力そして強みとなり、選書の独自性や地元図書館などへの積極的な販路開拓に繋がっていると感じています。今後はお二人の創業時からの夢である、本屋と飲食店を掛け合わせたお店の開業に向け、計画作成などのお手伝いができたらと思います。
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【事業所概要】 ■事業所名:本屋 鳥の巣 ■業 種:本小売業 ■住 所:鳥取県八頭郡若桜町若桜415 ■HP QRコード: |
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