地域のチカラ ~伴走支援の現場~
老舗の味を継ぎ、進化させたベーカリーカフェ
閉店を決めた老舗パン屋から技術を受け継ぎ、独自の工夫を加えたパンを販売するベーカリーカフェが話題に。今村芳和さん・法子さん夫妻が琴浦町で営む「CAFÉ&BAKERY mie(カフェアンドベーカリーミー)」には、開店前から行列ができるほどの人気ぶりだ。
▼初めての開業準備は商工会に相談
法子さんの実家がある倉吉市へ、2023年に広島から移住した今村夫妻。「二人でお店をやりたいね」と話し合い、カフェの開業を検討していたところ、事業承継のマッチングサイトで琴浦町のパン屋「はなはな工房」が後継者を募集していることを知る。
取り寄せたパンの味に感動し、「この味がなくなるのは惜しい」と連絡を取った。 パン作りの経験はなかったが、熱意が認められて後継者に選ばれ、店主のもとで半年間、製パンの基礎を学んだ。
店舗運営も初めてで、開業準備の進め方も手探りだったため、商工会に加入し、補助金や行政手続きなどの相談を重ねた。「自分たちだけでは難しかった」と芳和さん。定期的な相談を通じて課題を整理し、次のステップへと進む支援を受けている。
▼研究を重ねた味と、特別感のある店づくり
動画などを参考に独自の研究を重ね、2024年12月に「CAFÉ&BAKERY mie」を開店。製法と味を忠実に受け継いだ食パンは、口どけがよく年配の方にも食べやすいと好評。ベーグルは改良を加え、大きめサイズで外はサクサク、中はふわもちの食感に仕上げた。 季節に合わせた上質な素材をふんだんに使い、見た目も華やかに常時20種類以上を展開。手間はかかるが、「その方が僕らも楽しいので」と、毎週新作を研究・開発している。パン先進国・韓国のトレンドも取り入れ、食材の魅力を最大限に引き出すため、何度も試作を重ねている。
店のコンセプトは「おしゃれして行く特別感のある店」。倉吉市で育った法子さんは「お出かけする場所がないストレスはよくわかるので」と笑う。営業日は主に土日祝に絞り、白を基調としたすっきりした店内には、居心地の良いイートインスペースを設置。好みのブランド食器で紅茶やコーヒーを楽しめる。パンを中心としたランチも日を決めて提供し、スコーンなどの焼き菓子も販売。手土産にぴったりな、おしゃれな袋も用意している。
口コミやSNSで話題となり、客足は増加。リピーターも続々と訪れる。期待に応えるため、深夜から仕込みを始め、開店に合わせて焼きたてを並べている。 「もっとパンの種類を増やし、焼き菓子も極めたい」と語る二人。いつ訪れても、新しい発見がある店だ。
▼経営支援専門員の声 中部商工会産業支援センター 主任 日置 法枝
商工会への相談は創業・事業承継に係る補助金活用がきっかけでした。驚くほどスムーズに事業承継の話が進み、事業計画の策定や補助金活用のフォローを行う中で、「自分の力でやってみたい」という意欲を尊重する形で支援してきました。
おめかしして行きたくなる今村さんのお店には、いつも人が集まり、おしゃれな空間が広がっています。さらなる事業の飛躍を目指し、商工会は今後も寄り添った支援をしていきます。
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■業 種:パン製造小売業 ■住 所:鳥取県東伯郡琴浦町八橋391-2 |
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