地域のチカラ ~伴走支援の現場~
地元の味を守り継ぐ
「これは、ただのもなかじゃないんです。地元の文化や歴史、誇りのようなものが形になったお菓子。だから、なくしてはいけないと思いました」 そう語るのは、みどりや菓子舗の山崎晃裕さん。彼が守り続ける「貝殻節もなか」は、鳥取県を代表する民謡「貝殻節」にちなんだ銘菓だ。廃業を考えていた先代から事業を引き継ぎ、一念発起。自身のアイデアも加えながら、多くの人に愛されてきた味を守り続けている。
▼家族の後押しにより決意
浜村に生まれ育った山崎さんにとって、幼い頃から老舗菓子店「みどりや」が身近にあった。「ケーキといえばみどりや、まんじゅうといえばみどりやと言うくらい、この辺の人にとっては日常的に食べていたもの」。思い出に刻まれた味が途絶ようとしているのを知ったのは一昨年のこと。もともと市内の製餡会社に務めていて、あんこの素を卸していた山崎さんは、先代から店を畳むと聞かされショックを受けた。
配達の帰りもずっと『寂しくなるなぁ』という思いが頭から離れず…。「このまま浜村からなくなるのはいけんなぁと思い、家族に『お父さん、菓子作ろうと思っている』と相談したんです。そしたら家族も背中を押してくれて。やっぱり町からお菓子屋がなくなるのって大きなことですから」
▼菓子づくりに込めた地域への想い
先代のもとで半年間の修行を積み、商工会に開業の相談に乗ってもらいながら準備を進めた。昨年7月に移転して開業。一年が経った今、伝統の味をつくる誇りを感じるのと同時に、自分らしく貝殻節もなかを売っていくことが面白いという。
「あんこを煮詰める頃合が難しく、やっぱりずっと同じ味を作り続けるのは簡単じゃないですが、美味しいものができたら嬉しいですね。先代のようにいろんなお菓子は作れないのですが、お客さんに喜んでもらえるようにといつも妄想しています(笑)」
開業に合わせて抹茶味のもなかを作ったり、夏でも食べてもらおうと貝殻節もなか入りのアイスクリームをこの夏に考案したり、次々にやってみたいことが浮かんでくる。
「自分でやりたくて始めた仕事は、やっぱり楽しいですね。気持ちの中でも湧き上がるものがあるし、先代や地域の人の期待に応えたい気持ちもある。商売という面だけでなく、『この地域に貝殻節もなかがある』ということを大切にし、これからもやっていきたいですね」
▼経営支援専門員の声 東部商工会産業支援センター 主任 小林 祥樹
山崎さんが「地元の文化や歴史、誇りのようなものが形になったお菓子。だから、なくしてはいけない」 という想いで相談に来られた時、その熱意に応えたいと強く思いました。ご家族の応援もあり、先代のもとで修行を積まれた後、事業承継、新店舗のオープンに向けて契約の締結や融資、補助金活用等の支援を行いました。伝統を守りつつ新商品にも挑戦する姿は、地域の宝を未来へつなぐ素晴らしい事例であり、これからも伴走者として応援し続けます。
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■事業所名:みどりや菓子舗 ■業 種:菓子製造業 ■住 所:鳥取市鳥取市気高町浜村783-1563 ■H P:https://www.instagram.com/ru_midoriyakashiho/ |
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