地域のチカラ ~伴走支援の現場~
日本の原風景を伝え続ける「みたき園」
デジタル化や多様な人材の採用を行う
㈱光南(八頭郡智頭町葦津二七七、寺谷誠一郎代表)が運営する「山菜料理みたき園」では、平成20年に娘の亜希子氏が事業に参画し、若女将として新たな取り組みを行っている。
みたき園は、昭和47年の創業当初から、日本の原風景を感じさせる茅葺屋根の古民家や清流が流れる森の中で、山菜料理を提供している。
石臼できなこを挽き、手作り豆腐やこんにゃく、地元で採れた山菜など手間暇をかけ、手仕事で調理する。古き良き日本の田舎の暮らしを伝え続け、3世代・4世代に渡ってリピーターになる顧客がいるほどだ。
そんな「昔ながら」を伝え続けている同園の事業に参画した若女将は「引き継がれた伝統の残すべきことは残し、新しくすべきものは新しくし、お客様、スタッフ双方に寄り添った環境を整えていきます」とした。
若女将が行った新たな取り組みは、大きく3つ。1つ目は定休日の設定だ。4月から12月に営業する同園では、定休日を設けていなかった。
しかし、「お客様だけではなく、スタッフにも家族を大切にした豊かな人生をおくってほしい」との思いから週2日(火・水曜)の定休日を設けた。若女将は「定休日を設けることで客離れが起きないか」と心配していたが、顧客にも定休日が受け入れられクレームになることはなかったという。
2つ目がデジタル化。昔ながらの山間の暮らしを再現している同園だが、電子決済やECサイト販売などの導入を進めている。
80歳を迎えようとする女将の節子氏も機器を使いこなす。一方で、フリーWi‐Fiやタブレット注文など同園の良さを崩しかねない部分の導入はしておらず、「言葉ではなかなか表せられない『みたき園らしさ』は守りたい。人と人とが顔を合わし、自然の中での暮らしだけは譲れない」と若女将。女将も、自然の機微を感じることを大切にしつつ、デジタル機器の導入など新しい物を取り込んでいくことには前向きだ。
3つ目は人材の多様化だ。同園では、食事をきっかけに「ここで働きたい」と働きだしたスタッフが多くいる。
その中に、外国人や聾者の姿もある。「一緒に働いているうちに、言語が違ったり、第一言語が手話なだけで、変わりないなと思うようになりました」と若女将。
若女将も手話を習得しミーティングで通訳を務めたり、翻訳ディスプレイを使用するなど工夫した結果、スタッフ間でもよどみなくコミュニケーションを取れているとした。
創業当初から新しい物、新しい人を受け入れる精神はあったようで、女将は「昔からここには人の間に垣根なんてないんです。自然の中で過ごせば、少しの違いなんて気にならない」と話す。
色々な取り組みを進めている若女将は最後に、「この土地にある空気感や水の音、流れる風の肌感を大切にし、お客様に自然を味わっていただけるよう『みたき園らしさ』を守っていきます。四季折々のすばらしさがありますので気軽にお越しください」とした。
【出典】株式会社 山陰政経研究所 旬刊政経レポート 令和7年10月25日号
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■事業所名:㈱光南 (店舗名:みたき園) ■業 種:飲食業 ■住 所:鳥取県八頭郡智頭町芦津277 |
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