地域のチカラ ~伴走支援の現場~
炭坂屋が高機能林業機器を導入
高効率化とともに安全面も向上
木材の伐採・生産を行っている炭坂屋(日野郡日南町神戸上2525、福田健一郎代表)がこのほど、高機能林業機器を導入し、効率化・安全向上を図った。
同社は、「先祖代々の土地や山を守りたい」と同代表が平成25年に創業した。社名の「炭坂屋」は家の屋号で、幼少期は苗字ではなく「炭坂屋の健一郎」と呼ばれていたほど、親しみがあり、それをそのまま社名にした。
会社のモットーは「しごともあそびも全力」。従業員は全員20代から30代の若手で、「林業は事故と隣り合わせの仕事のため、メリハリが大切。遊びを全力で行うことで、仕事への切り替えがしっかりとできる」として、一緒にイカ釣りやバイクツーリングに出かける事もあるという。
同社では、今回の機器導入に限らず、作業の効率化・安全向上には常に注力してきた。それは、業務中の同代表の事故がきっかけだという。
林業は、他業種平均に比べて死傷年千人率(労働者1000人あたり1年間に発生する死傷者数)が約10倍と高い。福田代表も、伐倒作業中に木材が当たり、膝靱帯断裂という大けがを負った経験がある。一人で仕事をしていた時の事故でしかも意識不明に陥った。しかし幸いなことに、隣のエリアで作業していた別会社の人に気づいてもらい、一命をとりとめたという。
「その時に、自分はまだやりたいことがたくさんある。でも有限な時間を大切に使えていないと思い、仕事の効率化と、怪我で時間が奪われないために安全対策に力を入れるようになりました」と福田代表。
その後、縁あって従業員を雇うことになり「従業員のためにも可能な限り事故のリスクを減らしたい」との思いから、商工会の支援のもと鳥取県産業未来共創補助金を利用し機器を導入。さらに効率化、安全向上を図った。
導入した機器は、油圧シャベルに取り付けるアタッチメントで、木材の伐採・切断、集材、掘削機能が一つになった多機能が特長。導入したことで、約30%の生産性向上と安全面の向上が行われた。
「マルチに使えるアタッチメントのため、各工程で行っていた取り換え作業が減り、さらに人力で行っていた作業を機械化することで、労災リスクの軽減も図れた」と同代表。
今まではチェンソーを用いて伐採を行っていたが、一部を機械が担えるようになり、伐倒した木材の下敷きや、木材を集める際の滑落などのリスクを抑えられたという。
今後も効率化・安全面の強化を図りつつも、山の持ち主との交渉に力を入れていく構えで、「山を引き継いだ若い層は山に無関心な事が多い。若い世代と山とを繋ぐ役目を担い、山の大切さを若い世代に伝えていきたい」とした。
【出典】株式会社 山陰政経研究所 旬刊政経レポート 令和7年11月5日号
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■事業所名:炭坂屋 ■業 種:素材生産サービス業 ■住 所:鳥取県日野郡日南町神戸上2525 |
















