地域のチカラ ~伴走支援の現場~
人とつながり、アイデアを形に ―地域を彩る挑戦―
ドライフラワーアーティストの加藤浩美さんは、江府町でカフェを営みながら、キャンドルや鹿肉ジャーキーなど多彩なオリジナル商品を開発している。豊かな発想を、専門技術を持つ事業者と協力して形にし、地域の魅力を発信している。
▼地元の美しい星空をキャンドルに
関西在住だった加藤さんは、夫の実家がある江府町に2021年夏に移住した。ドライフラワー制作のためにアトリエを借りた際、関係者から「ふるさと納税のお礼の品を作ってみては」と勧められた。
せっかくなら地元に関連したものをと考え、「あまりにも美しく感動した」という星空をテーマにキャンドルづくりに挑戦。火を灯すと、星のかけらに見立てた輝く小片が溶けたロウとともに芯のまわりを回る。夜空の青、夕焼けの赤、山の緑の3色を揃え、「星取県キャンドル 星降るミニキャンドル」として商品化すると、キンモクセイの香りとともに癒されると人気を集め、関係者からも高く評価された。
商品づくりの楽しさを感じた加藤さんは、鹿肉ジャーキーや焙煎玄米を使った玄米珈琲、ハーブのバスソルトなど、次々と新しい製品を生み出している。知識を深め、独力では難しいことは専門業者に協力を依頼し、新分野を切り開いてきた。
鹿肉ジャーキーは、町内のジビエ処理施設「奥大山 地美恵(ジビエ)」の肉を活用しようと、既存のジビエ商品のパッケージを調べることから始めた。「OEMって何だろう」という段階から全国に問い合わせを行い、共に取り組める会社を見つけた。玄米珈琲やバスソルトも県内の業者と共同で商品化。加藤さんは「専門業者でないとできないこともある。お互いに補い合えるのが一番」と語る。これらの商品はすべてふるさと納税の返礼品で、一部は道の駅奥大山などでも販売されている。
▼人とのつながりが生んだカフェ これからも広がる可能性
商工会とは移住直後からの付き合いで、県や町の補助金の紹介など「たくさん動いてくれて、多くのサポートを受けた」と話す。さらに「商工会に参加する様々な事業者を見たうえで、第三者として助言をいただける。これは大きなメリットだと思います」とも語る。 初めて暮らす土地で積極的に人とつながり、仕事の幅を広げてきた加藤さん。カフェの開業も「空き店舗を買ってくれる人を探している」と聞いたことがきっかけだった。「地元の人が気軽に立ち寄れる場所になれば」とクラウドファンディングで費用を集め、2024年1月に「H.ALNOYUZ(ハルノユズ)」を開店。当初は飲み物だけを提供する予定だったが、「食事ができる場所が欲しい」という声に応え、ランチなども提供している。 今後も「さまざまなところとタッグを組みたい」と意欲を見せる加藤さん。その熱意と行動力を見込まれ、「Tシャツを作って」「スタンプラリーの台紙を作って」といった依頼も次々と寄せられている。これからどんな新商品が生まれるのか、注目が集まっている。
▼経営支援専門員の声 西部商工会産業支援センター 主任 福光 勇蔵
諸先輩が創業当初から支援し、今日まで継続的に支援してきました。4年前(令和3年)に大阪から移住され、移住者ならではの視点を活かして事業を進められていると感じています。3人のお子様を育てながら、飲食店が少ない江府町でクラウドファンディングを活用しカフェを開き、町の魅力を発信する新たな場として地域に貢献されています。さらに、近隣の事業所と協業して商品開発等にも取り組まれ、その行動力には、私自身も大きな刺激を受けています。これからも加藤さんの熱意に寄り添い、サポートしてまいります。
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■事業所名:H.ALNOYUZ ―春の柚― ■業 種:飲食業 花・木小売業 ■住 所:鳥取県日野郡江府町武庫1198-1 ■H P:https://harunoyuz.my.canva.site/ec ■ECサイト:https://harunoyuz.stores.jp/ |
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