地域のチカラ ~伴走支援の現場~
攻めの姿勢で事業拡大
「自分たちは花の苗を作っている専門家で、この仕事をする業界内では当たり前のことでも、一般の人からすると価値があることかもしれない。そういう価値をたくさんの人に届けながら『植物で人を幸せにする』ことをしたいんですよね」
植物のこと、経営のことを語らせたら止まらない。2年前に創業者の父から事業継承した村岡佑基さんは強い信念のもと、会社で働き出してから売り上げを約4倍増やすなど事業を拡大。YouTubeなどで情報発信して認知度を高めてECサイトを立ち上げるなど攻めの姿勢を貫きながら、受注管理のシステムを開発して効率化を図って足場も固めてきた。アイデアと行動力で、事業の可能性を大きく花開かせている。
▼既存の花農家からの脱却
家業に就いたのは、14年前。仕事を覚えながら会社内の改革に乗り出した。それまでにも、2010年の「ジャパンフラワーセレクション」にて「フラワー・オブ・ザ・イヤー」を受賞するなど確かな技術を誇っていたが、まだ可能性があると感じていたという。
「企業としてやっていく上では、規模を拡大していった方がいいと思いました。野菜から花まで生産品目を100品目まで増やして販路を広げました」
勢いを加速させたのがYouTube「花農家ゆうきの園芸ガーデニングチャンネル」の開設だった。親しみやすい村岡さんの人柄と、花の育て方をプロが丁寧にわかりやすく伝える内容で、今や登録者10万人を超える人気チャンネルとなっている。
「通常の仕事をしながら年間200本の動画をあげ、同時にECサイトも立ち上げたので一気に全国のお客様に知っていただけて売り上げ向上にもつながったと思います」
▼受注管理の課題をDX化
売り上げが順調に伸びる一方、課題も浮き彫りになった。
「基本的な受発注がFAXや電話がほとんどで一元管理できておらず、生産効率が悪かった。事業が大きくなるのと同時に、自分たちの疲労感が増えていく。そんな状況を変えたいと思って商工会さんにも相談しました」
事業承継引き継ぎ補助金を活用して「商品の受発注管理・出荷作業のDX化」を計画。既存の農業システムでは自社に合うものがなく、県外で知り合った専門家に協力を仰いで「ないなら作ろう」と自社開発に踏み切った。普段から外部人材との連携や新しい取り組みに積極的だったことが、ここでも活きたという。
温暖化など生産環境や経済の変化が激しい時代に、足場を固めつつ攻めの姿勢を崩さないのが村岡流。ファンづくりの一環として、自社農園を活かした「ガーデンパーティーフェスティバル」を2024年から開催している。
「農業生産は今の規模をベースにし、加工品や観光体験も商品やサービスとしていきたい。この農園だって花好きの人からしたら“非日常”なわけです。そうやって自分たちの価値を多くの人に届けられるようにしていきたいですね」
▼経営支援専門員の声 中部商工会産業支援センター 係長 岩見 誠治
村岡さんは、アイディアと行動力によって事業の可能性を大きく広げており、環境変化を見据えながら新たな事業展開にも積極的に取り組まれています。村岡さんのアイディアを形にしていくために、村岡さんと共に考え、伴走支援を継続していきたいと思います。
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■事業所名:有限会社 村岡オーガニック ■業 種:施設園芸業 ■住 所:鳥取県東伯郡北栄町東高尾東野128-13 ■H P:https://muraokaorganic.com/
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