地域のチカラ ~伴走支援の現場~
夫婦二人三脚で自分たちらしく
美味しいお菓子を届ける
美味しくて、安心して食べられるお菓子を届けたい——。創業27年を迎える「菓子工房シェル・ブール」の朝倉真一さん。従業員の退職や自分たちの年齢を考え、これからの店のあり方を見直すことを決意した。「今の自分たちらしく、お客さんに喜んでもらえたらと思っています」。妻の幸子さんとともに、変わらぬ思いでお菓子づくりに向き合い続けている。
▼子どもの頃の“好き”がお菓子づくりの原点に
「小さい頃は肉も魚も食べられず、偏食だったんです。唯一の楽しみが母が手作りしてくれるお菓子でした。食べられるものが少なかったからこそ、その“好き”が突き抜けたんでしょうね」。高校卒業後は関西のホテルで菓子づくりを学び、Uターンして開業。自身の経験から、素材にこだわって丁寧に作ったケーキやお菓子が評判を呼び、地域に愛されるお店になった。以前は町内に2号店も構えていたが、従業員の退職を機に本店へ一本化。店の方向性をどうすべきかを考え、商工会に相談し、専門家を交えながら中長期的な戦略を練り直した。自分たちの年齢に合わせ、子ども向けキャラクターケーキなどの制作をやめ、大人向けの店づくりへと舵を切った。
▼お客様とともに歳を重ね、地域に愛され続ける店へ
コンセプトの刷新に合わせ、持続化補助金を活用して道路沿いの看板をリニューアル。茶色を基調とした落ち着いたデザインで、看板商品の「とちの実ダックアイス」を前面に打ち出した。地元食材を使った人気のソフトクリームを、朝倉さんお気に入りのダックワーズでサンドした冷凍スイーツで、県特産品コンクールで優秀賞を受賞している。看板を見てわざわざ車をUターンさせて買いに来るお客さんもいるほど効果が出ているという。
「来られるお客さんの年齢層も少しずつ高くなってきました。妻がお客さんとの会話を楽しみながら接客していて、そういうゆったりとした雰囲気が自分たちと同世代の人たちにも受け入れられているのかもしれません」
週休を1日から2日に増やし、営業時間も短縮。商品も売れ筋に絞り、無理をせずに続けられる体制に変えたことで、心にも時間にもゆとりが生まれた。競合が多い時代だが、より自分たちらしいお菓子づくりができているという。
「原点に戻ったような気がしています。まだ自分の作りたいお菓子も全部はできていないし、やりたいこともあります。健康に気を付けて、少しでも長く続けたいなあと思っています」。
今日も店には、夫婦の笑顔とともに、ほのかに甘い香りが広がっている。
▼経営支援専門員の声 中部商工会産業支援センター 主任 田中 文
従業員の退職という経営環境の変化を、専門家と共に戦略を練り直すチャンスに変えたことが、今回のリブランディングの鍵となりました。以前のファミリー層向けから大人向けへとコンセプトを刷新し、看板商品のダックアイスを前面に打ち出したことで客層にも確かな変化が見え始めています。手作りの価値を大切にしつつ、持続的な経営体制を形にしたシェル・ブールさんが、これからも地域に愛され続けるよう、商工会は伴走支援を続けてまいります。
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■事業所名:菓子工房シェル・ブール ■業 種:菓子製造小売 ■住 所:鳥取県東伯郡湯梨浜町田後341-6 ■H P:https://www.cherbourg-cake.com/ ■Instagram:https://www.instagram.com/cherbourg1999/
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