地域のチカラ ~伴走支援の現場~
お客様の声に応えるため、飲食分野へ初挑戦
「さすがにレストランまでやることになった時は、大丈夫かなと思いました」と代表取締役の西村恵輝さんは笑った。
島根、広島、岡山と県境を接する山あいの町、日南町。社員10人の㈱日南アシストは、502席のホールを持つ同町総合文化センターの指定管理者。イベント企画から舞台の音響・照明、併設する町美術館・図書館の施設管理まで、その業務は多岐にわたる。
▼飲食店への挑戦
「一人で何役もこなす忙しさ」と言うものの、社員らが知恵を絞って企画したプロのコンサートや多彩な講演会は、県内のみならず奥出雲や新見など県境で隣接した地域からも客が訪れ、山間地に芸術文化の香りを運んでいる。
ところが館内には困った問題があった。採算が取れず業者の撤退が続く飲食エリア。町はその運営も指定管理業務に加えた。
未知の飲食店経営、不安は募る。そんな時、手を差し延べてくれたのが町商工会だった。「補助制度など何も知らず、大助かりでした」と西村社長。一方、町商工会の田仲玲子主任は「町内は男性向けのガッツリ系の店が多い。展覧会やコンサートの後にくつろげるカフェのような場所が欲しい」と女性ならではの戦略を練った。
昨年4月、県産業成長応援事業の補助を受け、カフェ風レストラン「キッチンみなみ」がオープン。ところが「コロナ禍でいきなり休業要請です。心が折れそうになりました」(西村社長)
それから一年余り。コストを抑えるため、スタッフは南方俊継シェフとフロア担当の鴨志田桂子さんの二人だけ。昼営業中心だが、管理栄養士の南方シェフが作るヘルシーなランチやおしゃれなテイクアウトが人気を集めている。
▼経営支援専門員の声 西部商工会産業支援センター 主任 田仲玲子
日南町総合文化センター内にて飲食店の営業をしたいという相談を受け、支援が始まりました。異業種への参入となることから、環境分析や市場調査などを社長と共に行い、社長の思いを事業計画という形で「見える化」していきました。現在、他店と連携したコラボ商品の開発が進んでおり、商工会のネットワークを活用し他企業との連携を図っています。
今後とも身近な相談役として商工会をご利用していただければと思います。
【事業所概要】
◆事業所名:株式会社 アシスト日南 ◆業 種:飲食業、イベント企画・映像企画
◆住 所:日野郡日南町霞785 ◆連 絡 先:TEL 0859-77-1111 《 飲食店 部門》
◆店 名:キッチンみなみ ◆営業時間:10:00~15:00
(オーダーストップ14:30~)
◆定 休 日:日曜日、月曜日、祝祭日
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