地域のチカラ ~伴走支援の現場~
事業向けの不動産に特化。誠実にお客様のニーズ応える
好きなことにワクワクするように、いつも目を輝かせているのが湯村さんだ。関東で長年、不動産業界で働いた後にUターンし、現在は不動産業と実家である旅館も承継。その人柄とバイタリティーを武器に、“二刀流”の働きを見せている。
「湯梨浜は、不動産人気が高いところ。自然が豊かで景観がよく、子育ても手厚い。それは昔から地元をよくしようと先輩方がしてきてくれたことで、その流れを次の形にしていけたら」と前を向き、事業を推し進めている。
▼家業を活かすため不動産の世界へ
祖父が鯉の養殖販売、祖母が民宿「鯉の湯」を経営する家に生まれた。「ずっと家業をどうにかしていかないといけないという思いがあった」。東京の理系大学に進み、関東の不動産会社に就職した。「旅館は一泊いくらで貸し、不動産は賃貸なら一ヶ月いくらで貸す。ビジネスとして似ていたし、不動産に強い方が家業にも役立つと思いました」。
Uターンを決めたのは30歳になるころ。会社で現場を離れるタイミングや旅館で働く家族が高齢となってきたことが重なった。早速、旅館を手伝いながら行動。掃除や片付けから始め、顧客の95%がインターネット予約だったことに目をつけてホームページを整備した。
「サイトに載せる写真も、見られたくないものは隠しがちなのを、あえて見せるように心がけました。不動産業で学んだのは過大に見せるなということ。過大に見せておいてマイナスのギャップがあることが一番よくないんです」
▼不動産で「橋渡し」の役割を
根っからの働き者は「チェックアウトからチェックインで時間があるのがもったいない」と、資格を取って2018年に「湯村不動産」を開業。面白いもので、動けば物事は繋がりを生んでいく。「旅館関係者から後継がいないから売りたいなど声が掛かるように。自分なら稼働率やランニングコスト、売上の構造を説明してあげることもできる」と、実際に2件の売買を成立させた。
事業用不動産に特化しようと考え、地元商工会に相談。サービス周知のチラシを作成してますます広がりを見せている。2020年2月には旅館も法人化し、これから旅館や不動産業を軸に、さまざまなアプローチで地元を盛り上げたいと話す。
「昔の仲間が県外に出るのも、結局仕事が問題。面白い仕事先や働き方が田舎にもあって、ビジネスの可能性があるよと示したいんです。どんどん地域経済を循環させ、面白いと思えることをやっていきたい」
その目は、未来を見つめながら好奇心に満ちている。
▼経営支援専門員の声 中部商工会産業支援センター 主任 小林 祥樹
不動産業開業後に商工会に相談に来られたのが支援のはじまりでした。計画策定支援を通じて、持続化補助金を活用しサービス周知ためのチラシを作成。これまでの業界経験を活かし、県中部の不動産会社が積極的に参入していない分野「事業者向け不動産サービス」に特化したことが、立ち上げたばかりの事業が軌道に乗る大きなポイントになりました。承継された民宿も含め、事業を通じて活気あふれる地元にしたいという思いに今後も伴走支援していきたいと思います。
【事業所概要】
■事 業 所 名:湯村不動産
■業 種:不動産代理業・仲介業
■住 所:東伯郡湯梨浜町上浅津97-6
■連 絡 先:TEL 0858-35-3606
FAX 0858-41-1185
■U R L:https://yumura-re.jp/
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