地域のチカラ ~伴走支援の現場~
強力除菌消臭ウオーターを 独自技術で開発
目には見えないウイルスや細菌。私たちの周りの水や空気中に存在し、飛沫や接触、細菌で汚染された飲食物の接種などにより、さまざまな感染症への感染や食中毒など、時に人々の健康に大きな影響を与える。株式会社「abaris(アバリス)」は、ウルトラファインバブル(ナノバブル)技術を導入した高濃度の微酸性次亜塩素酸水「アクアルファ・ナノ・f(フォルテ)」を業界初で商品化させた。新型コロナウイルス感染症にも効果があるとして注目を集めている。
▼商品開発のきっかけ
工学部で電子工学を学んだ社長の谷野重美さん(62)は、興味を持ったことを徹底的に調べ、ゼロからものをつくるスペシャリスト。10数年前、海外で「日本は水道をひねると安全な水が出るからいいですね」と言われたことから、「世界中で水を安全に飲めるようにするにはどうしたらいいか」と考えるようになる。
▼商品化に向けて
いろいろ調べる中で、次亜塩素酸水には高い除菌消臭効果があることを知り、研究開発を始めた。機械から組み上げて微酸性次亜塩素酸水「アクアルファ」を開発し、さらに改良を進めるため、商工会の担当者に相談を行った。商工会職員と一緒に、商品化に向けた取り組みを整理し、事業計画、販売計画、数値計画を策定して戦略を練った。
2017年度に鳥取県版経営革新総合支援補助金〈成長・拡大型〉を活用し、翌年、微酸性次亜塩素酸水1ml中にナノバブルを15億個以上充填した高濃度800ppmの「アクアルファ・ナノ・f」を商品化した。
「補助金申請に向けた事業計画策定では、頭の中が整理できたことで方向性が決まり、商品化ができた。本当に感謝しています」と谷野社長
▼人にも動物にも安心
驚くのは、その有用性の高さだ。一般的に消毒に使われる塩素系漂白剤を希釈した消毒液やアルコールよりも、強力な殺菌・消臭力を発揮。さらに、独自の製法で人体に有害な物質を除去しているので、子どもや高齢者がいる家庭、保育園、病院などで安心して使うことができる。嘔吐物の処理や手指の消毒の他、専用の超音波ミスト装置を使えば空間除菌もできる。
▼品質試験での効果を実証
その後、谷野さんはその効果を科学的に証明するため、確かな研究機関で除菌試験を実施。これまでにノロウイルスやインフルエンザウイルスなど30種類以上のウイルス、細菌、カビ菌で除菌消臭効果があると実証されている。
谷野さんは「高濃度と安全性にこだわって製造しています。いずれは海外にも情報発信して、世界中で安全に水が飲めたり、健康に過ごせる環境づくりに貢献していきたい」と意欲を見せる。
▼経営支援専門員の声 西部商工会産業支援センター 主任 山本 敦之
積極的に商品開発に向け研究を行い、商工会とともに経営計画を策定し、施策活用を通じたタイムリーに販路開拓・新商品開発を行い、年々業績は上昇傾向にあります。
改良を重ねている商品も現在の市場だけにとどまらない様々な可能性があり、新たなステージに向かって取組を検討されております。商工会は引き続き事業所に寄り添った伴走型支援を行っていきたいと考えております。
【事業所概要】
■事業所名:株式会社 abaris(アバリス) ■事業内容:①電気分解製法・微酸性事案塩素水 の研究・製造・販売 ②日本山人参の栽培、研究 ③陶磁器、美術品の取扱い販売など ■住 所:西伯郡大山町上万677-1 ■営業時間:10:00~18:00 ■休 日:日曜日、祝日 ■連 絡 先:TEL /FAX 0859-53-3953
■U R L:https://aba-ris.com/index.html
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