地域のチカラ ~伴走支援の現場~
伯耆町特産品とコラボしたかも鍋セットを販売
丁寧にだしを取った味わい深いスープに、クセがなくてやわらかい鴨肉を入れて、季節の野菜と一緒にお鍋でぐつぐつ。なんば商店の「かも鍋セット」の販売が始まると、全国のファンたちは「今年もあの味に出合える」と笑顔になる。「たくさんの方が待っていてくれる。こんなにうれしいことはない」とほほ笑む代表の南葉千景さん。「夏も楽しんでもらいたい」と、今年から、伯耆町特産品とコラボレーションした夏季限定セットを発売した。
▼かも鍋セット販売のきっかけ
以前は仕出し料理を提供していたなんば商店。ある時、一人の客がかも鍋をいたく気に入り、「ぜひ土産に」と持ち帰ったのをきっかけに、1992年からギフト用の販売を始めると、口コミで人気が広がっていった。
特に、「かも鍋を食べないと正月が迎えられない」というリピーターが多く、千景さんの母、由紀江さんは「日本中でたくさんの人がかも鍋を食べてくれている。それを想像するだけで、どんなにえらくても頑張れる」とよく話していたという。千景さんは「事業を受け継いで、母の気持ちが身に染みて分かるようになりました」と話す。
▼新商品開発・販売
鳥取県西部の7商工会で取組んでいるブランディング事業「大山時間」に参画、そこで知り合った南部町のd-magic吉田慎吾氏の発案で閑散期の売上対策としてかも肉と自慢のスープを使った夏場の商品開発に「小規模事業者持続化補助金」を活用することとなった。
「伯耆町の他のおいしいものも知ってもらおう」と、久米桜麦酒㈱の大山Gビールや須田農園のゆずシャーベット、伯耆町産米とコラボレーションした3セットを用意。自家製スープと鴨肉を使ったトマトすき焼き、キーマカレー、パエリアなど、多彩なレシピを料理家にメニュー開発してもらい、今年7月から販売を開始したところ、お得意様を中心に注文が順調に入り、売り上げ増につながった。
▼全国になんばの味を届ける
県内のホテルや飲食店で、なんば商店のスープと鴨肉を使ったメニューを提供するなど、地元の人たちに知ってもらう努力も惜しまない。「秘伝のスープと鴨肉の旨みがあいまって、なんばの味になる。一度食べてもらったら気に入ってもらえる自信があります」と千景さん。“なんばのかも鍋”がまた新たな輝きを放って羽ばたこうとしている。
▼経営支援専門員の声 西部商工会産業支援センター 主任 長谷川 由美子
「顧客の若返り」のレシピ開発の補助金活用が相談のきっかけでした。レシピ開発後の売り方=販売戦略をどのようにするか?が課題となり、その1つとして地元消費者に周知する方法としてメディアPR以外に、地元ホテルとのコラボメニュー、ふるさと納税の活用などを提案。商品の売り方を一緒になって考えることで信頼関係も深くなったように思います。今後も㈲なんば商店の身近な経営相談相手として商工会は支援を継続していきたいと思います。
【事業所概要】
■事業所名:有限会社なんば商店
■業 種:小売業
■住 所:西伯郡伯耆町二部662
■定 休 日:日曜・祝日
■連 絡 先:TEL 0859-62-7162
FAX 0859-62-1500
■U R L: http://www.kamo-nanba.com/
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