地域のチカラ ~伴走支援の現場~
イメージを具現化する技術で溶接の可能性を広げる
「時代の変化とともに新しいニーズが生まれます。お客さんのご要望に対応するには、お客様のイメージを具現化できる技術や経験が必要となるため、日々精進していきたいです。」と語る恵美須貴雄さん。
岩美町で溶接業を起こして22年。専務の恵美須貴雄さんは、社長である父・直喜さんが築いてきた会社の実績と技術力を自負する。最近では、階段や手すりに鉄を使う住宅が増えたことで、顧客のイメージを具現化する仕事が増加。「鉄やステンレスだからこそできることもある。可能性をどんどん広げたい」と、意気込んでいる。
▼住宅用のアイアン(鉄)製作へ
主に食品加工の工場ラインの部品などが取引だったが、5年前に転機があった。一級建築士をしている高校時代の友人から「住宅用の階段や手すりのアイアン(鉄)の制作ができないか?」と相談を受け、住宅用の手すりのアイアンの制作を始めた。
最初は依頼を受けた図面にそって製作していたが、工業高校出身で20代の頃には測量士として働いた経験を生かし、自ら図面を描いてデザインを提案するようになった。
「個人のお客さんになるほど、細かな要望が多くあります。お客様の話をじっくり聞いて、お客様の要望に合ったものを提案するようにしています」と語る。
現在は、技術力が評判を呼び、発注は県内全域に拡大。時には家の鉄素材を全てオーダーされることもあるほど、「住宅用のアイアン」に確かな手応えを感じ、新たな商機を見出した。
▼溶接の可能性を広げたい
住宅用アイアン(鉄)受注を拡大するため、岩美町商工会の支援を受けながら、工務店や個人の方へ自社の技術力・対応能力を知ってもらえる自社ホームページを作成し、新規取引先の開拓につながった。
従業員は、6名。平均年齢は30代で若く、20代の女性社員も働いている。恵美須さんは、これまで会社が培ってきた技術や経験に、若い感性を加えていこうとしていている。
「ものづくりに興味がある人なら初心者でも大丈夫。2、3年で一通りのことができるようになり、5〜10年でどんな品物でもこなせるようになります。女性社員はモノを綺麗にする美的感覚や丁寧さがあって、いい仕事をしますね」
「溶接工は大きく二つに分かれるます。図面に沿って溶接をしていく人と、組み立てることも頭に描きながら溶接する人と分かれます。今後は、育てることが難しいですが、後者の人を増やしていきたい」と従業員育成に意欲を見せる。
「従業員には、言われたことだけでなく、提案できる溶接工になってもらいたい。そこから、新しいアイディアが生まれることもあり、溶接の可能性が広がっていくと思うんです」と従業員の将来を見据えながら、溶接の無限の可能性を追求している。
▼経営支援専門員の声 東部商工会産業支援センター 主任 浦木 陽介
㈱NE製作所は15年以上前に商工会に加入され、専務は青年部活動にも積極的に参加しています。今回、専務より「しっかりしたホームページが作りたい」との相談が始まりで、取組みにより、会社の顔となるホームページ整備による認知度・信頼性向上に繋がったのではと思います。来年には事業承継も控えており会社としての分岐点となります。さらなる事業の飛躍を目指し、商工会では今後も寄り添った支援をしていきます。
【事業所概要】 ■事 業 所 名:株式会社 NE製作所 ■業 種:溶接加工業 ■住 所:岩美郡岩美町岩井115-1 ■連 絡 先:TEL 0857-73-5166 FAX 0857-73-5167 ■主 要 製 品:産業用機械・設備、厨房機器 アルミ製品、漁船関連 建築関連、手すり関連 ■U R L:https://ness-welding.com/works/
|