地域のチカラ ~伴走支援の現場~
お客さんを楽しませたい! 期待を超え続けるラーメン
「美味しいのはもちろん、お客さんにどれだけ楽しんでもらえるかを考えています。美味しそう!も、楽しそう!も、その人を感動させる意味では一緒」。国道9号線沿いにある「ラーメン悟空」の代表 林原尋生さんが何度も口にする「楽しい」という言葉通り、看板メニューのチャーシューメンをはじめバリエーションに富んだメニューを選ぶ段階から楽しい気持ちになる。今や行列のできる店となったが、常にお客さんの期待を越えたいという想いでラーメンを作り続けている。
▼何が求められているかを問う
創業は2005年。「当時はまずい、まずいとお客さんに言われる毎日」と苦笑いするが、「中途半端に美味しいと言われるより価値のある言葉。何か改善できるものがあると考えてきた」。今もなお、休日でもラーメンの食べ歩きを行うほどで「僕自身が新しい味を食べたいんです」と、ラーメン愛を語る。
お客さんが求めているものは何か。地元で評判の店を回っては味やメニュー構成を参考にし、県内産の牛骨、豚骨のガラを使った濃厚なスープを生み出して徐々に客足が変わってきた。「みんながちょっと濃い目のラーメンを美味しく感じる。あと、僕の中でラーメンは500円くらいで安くて美味い食べ物だと思っています」と、今も540円から提供。美味しく、ボリュームがあるメニューが並ぶ。
▼他所にはできないことをやる
中でも、こだわりは肉のメニューだ。「野菜がたくさん入ったがっつりしたラーメンが流行った時、世間の人は肉を食べたいはずだと思った。そこから肉にこだわり、他の店がやらないほど仕入れや調理法を増やしてきました」。低温調理のレアチャーシューをはじめ3種類をのせたチャーシューメンが誕生。器からはみ出んばかりの肉を、直接バーナーで炙る調理法も「他所がやらないことをやる」というこだわりから始まった。
▼商工会への相談
順調な営業を続ける中、スープ生産量の限界と作業効率の低下が発生し、西部商工会産業支援センターへ相談。西部商工会産業支援センター職員と一緒に仕込作業や作業動線を見える化することで、問題・課題点を確認。その課題を解決するため、従業員が働きやすい業務環境の整備と生産性向上ができる店舗運営を目指すことになった。職員から鳥取県産業成長応援補助金の活用提案を受け、職員の助言を受けながら、事業計画を策定。その後、調理場と仕込場を別室化し、作業工程の半自動化を目的とした設備導入した。
店舗改修と設備導入したことで、業務効率化を図ることができ、加えてスープの大量調理が可能となり、生産性を向上することができた。
▼コロナ禍での新たな挑戦
順調に売り上げを伸ばしてきていたが、新型コロナウイルス感染症の拡大により、来店客数が減少しつつあった。この状況を乗り越えるため、西部商工会産業支援センターの支援を受けながら、お持ち帰りで家でも食べられるラーメンセットを開発。ラーメンセットを販売するため、自社のECサイトも新設した。
その後も、改善点を探し続け、お客さんにお待ちいただく時間を短縮するためスマートフォンから注文できるアプリも導入。コロナ禍でも新しいことに挑戦しながら、前を向いて進んでいる。
「とにかくお客さんに喜んでもらう、楽しんでもらう。そのことを考えるのがまた楽しいんです。もっともっと地元の味に思ってもらえるようになっていきたいですね」と話す林原さん。その飽くなき探究心とお客さんへのサービス精神は、止まることを知らない。
▼経営支援専門員の声 西部商工会産業支援センター 石﨑 修平
社長自体が様々な考えを持っておられる為、“考えをアウトプットし、整理・共有“することを、やり取りする上で、心がけています。また、設備投資など何かを実施する際には、事前にご相談いただけることも多いので、一緒に全体的や設備投資計画を立てやすいです。
今後も不足する部分を補完しながら、より良い事業運営ができるお手伝いをさせていただけたらと思います。
【事業所概要】 ■事業所名:株式会社 ラーメン悟空 ■事業内容:飲食店(ラーメン店) ■住 所:米子市淀江町西原1096-3 ■連 絡 先:TEL 0859-56-4266 ■営業時間:11:00~16:00/17:00~22:00 ■定 休 日:水曜日 ■U R L:https://ramengoku.co.jp/
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