地域のチカラ ~伴走支援の現場~
新鮮・安い・うまい・お客様を待たせない
昨年11月に「勢いで」会社を設立し、今年4月に初出店というまさに〝鮮度は抜群〟の水産会社。鮮魚の直売店「和星水産」フードコーナー『海鮮料理きわみ』は、リニューアルしたばかりの道の駅琴の浦で早くも「うまい、安い、すぐ料理が出てくる」とSNSや口コミで評判を呼び、地元客も押し寄せる人気ぶりだ。
▼目利きの自信と信頼するパートナー
道の駅に出店の打診があった時、代表取締役 石谷和也氏(36歳)は「地元の人間としては、もうやるしかない。そう考えると、わくわくしてきました」と話す。石谷氏の実家は赤碕漁港の鮮魚店。父親譲りの魚の目利きはだれにも負けない自信がある。
そんな〝イケイケどんどん〟の石谷氏が「彼がパートナーになってくれなかったら会社は回らなかった」と頼るのが、地元の漁協で総務や直営店を長く担当してきた専務取締役 大西和博氏(41歳)。「年齢は近いが、僕はまずお金(収支)のことを先に考えるので、出店の話はわくわくどころか、不安でドキドキでした」と話す〝慎重派〟の大西氏。
▼鮮魚の直売店(和星水産)
「ミネラル豊富な水質な日本海からの贈り物(魚介類)を全国の食卓にお届けしたい」と話す石谷社長は、自ら足を運び、父親譲りの魚の目利きで四季折々の旬の魚介類を仕入れる。お客様へ、魚介類の良さを出しながら、「うまい」「安い」良質な魚介類をお値打ち価格で販売を行っている。お客様のご希望によって、スタッフが無料で調理していただけるサービスを実施。お客様に「見て楽しんで、食べて幸せを感じてほしい」と語る。
▼道の駅琴の浦フードコート(海鮮料理きわみ)
フードコートは、全くの未経験であったが、フードコーディネーターの指導を受けながら、メニュー開発・調理方法を考えた。
「お客様を待たせない」「道の駅の利用客だけでなく、地元の人にも愛される店になる」というコンセプトからメニューでは、思い切って定食をやめて単品のみにした。
「これが正解でした。定食は、調理時間が長くなり、手間がかかる。単品なら忙しくても10分以内、海鮮丼は4、5分で出せる。それに煮魚、焼き魚…いろいろ食べたいお客様の要望にも応えられる。未経験者の僕たちだから決断できたのかも」と話す大西専務。
毎朝、目利きの石谷氏が仕入れる旬の魚は地元にもファンを広げ、地域に支えられることで、コロナ禍などに左右されにくい経営基盤ができつつある。
▼経営支援専門員の声 東部商工会産業支援センター 係長 井上 紀子
社長と専務のお二人に初めてお会いしたのは、昨年11月に商工会に創業相談に来られたときでした。その後まもなく創業、今年1月に道の駅出店者募集、4月に開店、とめくるめくような半年でした。その間、創業計画書並びに道の駅出店計画書を一緒に作成していきました。個性の異なるお二人だからこそ、アイデアが重なり、現在に至っています。まだ創業期の会社ですので、計画の検証を行うなど、今後も引き続き支援を行っていきます。
【事業所概要】 ■事業所名:株式会社 和星水産 ■事業内容:道の駅琴の浦にて魚介類の販売 海鮮料理の提供 ■店 舗 名 【和星水産(鮮魚販売】 営業時間 9:00~18:00 ※11月~2月 9:00~17:00 定 休 日 1月1日 【海鮮料理きわみ(フードコーナー)】 営業時間 11:00~15:00 定 休 日 12月30日~1月4日 ■住 所:鳥取県東伯郡琴浦町別所1030-1 (道の駅琴の浦) ■連 絡 先:TEL 0858-49-8031 ■instagram:@wasei_suisan
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