地域のチカラ ~伴走支援の現場~
車を売るのではなく、信頼関係を築くこと
「うちは良いことだけを言う車屋じゃない。例えば、車種によってメリット、デメリットがあるけど、デメリットも言う。極端な話、買わない方がお客さんのためだと思ったら買わないことを勧めます。」と話す高子宏道さんは、お客様に対して親身になった接客で、多くのお客様のカーライフに寄り添っている。
▼「人」として付き合う
高子さんは10年間勤務していた自動車販売店を退職後、令和2年4月に開業。長年培った車に対する目利きと知識、整備技術を活かしてお客様の要望に応えながら、順調にお客様を増やしている。
高子さんには開業時から大事している流儀がある。それは「嘘は言わない」こと。お客様にとってベストじゃないことを売上のために勧めることは絶対にしたくないという。「一人の人として付き合うこと。だからプライベートの話もするし、人として偽りのない自分のことを知ってもらいたいんです。車の話は最後にすることが多いですね」と話す高子さん。そんな真っすぐな高子さんを慕う人が多く、お客様がお客様を呼んでいる。
▼事業の成長に合わせ、次へのステップ
順調にお客様が増えている中で、整備の作業効率の改善と情報発信強化を考えるようになり、創業時からお世話になっていた伯耆町商工会の長谷川主任に相談。
高子さんの考え・想いを聞いた長谷川主任は、小規模事業者持続化補助金の活用を提案。補助金申請に向けて長谷川主任からアドバイスを受けながら事業計画書を策定。
補助金の採択後、車体を上げるリフトを導入し、作業効率が改善できたことで外注していた車両も自社で対応することができた。また、当社の取り扱っている車種やサービスをインスタグラムにアップして情報発信を強化し、新規お客様の来店にもつながった。
さらに事業を拡大するため、令和4年5月には新店舗へ移転し、従業員を1名雇用。
令和5年1月上旬には、㈱T-STYLEとして組織変更の予定である。
「前の店舗は、通り沿いになかったので、ここにきてからたまたま通りがかりに見てきてくださるお客様もいて、新規のお客さんが増えました。1日に5台売れることもあって驚いています。」と話す高子さん。中でも、お客様のお目当てで多いのが、通り沿いにのぼりを立てている「車検2年付で30万円ポッキリ」シリーズ。
「長年の経験からこの価格帯は喜んでくださる人が多いと考え、自社独自のパックを考えました。まさかここまでお客様に喜んでもらえると思っていませんでした。」と嬉しそうに話す。
「これからも自分らしく、お客様に真摯に向き合って、人との出会い大切にしたい」と話す高子さんの眼差しは優しい。
▼経営支援専門員の声 西部商工会産業支援センター 主任 長谷川 由美子
支援の始まりは創業融資でした。高子さんは、車とお客様に対する想いが真剣なところが強みです。1人体制の作業効率アップのために稼働式のシザーリフトを補助金活用して導入。外注作業の内製化や作業時間の短縮等の効果で売上や利益が大幅に増加。競争激化な自動車業界で、高子さんが目指す「お客様の要望に真摯に応えることができる店」のため、高子さんの想いに応えることができるよう支援していきたいと思います。
【事業所概要】
■事業所名:株式会社 T-STYLE ■事業内容: 自動車整備業・自動車販売業 ■住 所:鳥取県米子市彦名町1465-2 ■連 絡 先 :TEL 0859-24-2372 ■instagaram: https://www.instagram.com/carshop.tstyle_yonago/
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