地域のチカラ ~伴走支援の現場~
地元素材を活かした自然派スイーツをお客様へ
「自分の手で何かを生み出すことが好きなんです。」笑いながら話すのは、Nico sweetsの代表・新田孝一さん。パティシエとして29年以上の経験を持ち、平成29年にNico sweetsを創業。令和3年6月には、大山町に2号店をオープンした。
▼大山町への出店を決意
物を創ることが好きだった新田さんは、ある日パティシエになろうと思いつき、ケーキ屋の門をたたいた。島根県松江市東出雲町にある洋菓子店で修業し、パティシエとしての技術と感性を磨いた。
鳥取県産の材料をしたバウムクーヘンは、お客様に好評でありお店の看板メニューとなっている。また、地元の小豆やリンゴをバウムクーヘンにサンドするなどバリエーションがあるバウムクーヘンを開発している。
周囲とすぐに打ち解け、ネットワークを広げることが得意な新田さんは、知人の紹介により大山町で建設会社を営む社長と出会い、「大山町にあるテナントに入店してみないか」と誘われた。
元々、大山という鳥取県のシンボルである山に魅力を感じていた新田さんは、大山町に2号店を出店し、大山町の農産物を活用した商品開発を決意。
▼大山町の食材を使用した新商品開発
そこで、「テナント入店に伴い設備投資が必要であり、活用できる補助金の情報を教えてもらいたい」と大山町商工会に相談。新田さんは、大山町で2号店オープンの構想について当時担当者の桑本課長補佐に伝えた。桑本課長補佐から鳥取県産業成長応援間接補助金の活用提案があり、商工会の助言を受け、頭に考えている構想を事業計画書に落とし込み、鳥取県産業成長応援間接補助金を申請。無事に補助金採択になり、商工会と金融機関の協力もあり設備投資の資金調達の目途が立ち、本格的に2号店オープンに向けて準備が始まった。
「オープンに向け、大山町の食材を使用した新商品を開発したい」と考え、現担当者の古田係長に相談。古田係長は、新田さんが求めている食材を生産している事業所を紹介し、地元産の食用竹炭パウダーと抹茶を使用したバウムクーヘンが完成。「地元産品とのマッチング商品が完成したことで、地元の活性化に一役担えたと思います。」と話す古田係長。
令和3年6月、Nico sweets2号店がオープン。大山町の農家さんや牧場経営者、加工業者から調達した旬の食材を使用したバウムクーヘン・大山チーズケーキ・モンブラン・プリンを求めて多くのお客様が来店されている。
「商工会に相談したことで、頭の中で構想していたことが実行できたので、とても感謝しています。オープン後も販路開拓に向けた支援をしていただいているのでとても心強いですね。」と話す新田さんの表情は希望に満ちている。
▼経営支援専門員の声 西部商工会産業支援センター 係長 古田 貴義
新田さんの『地元産品を使った大山にちなんだ商品を作り、多くの方に食べていただきたい』との想いを知り、商品開発に向けた地元の事業者・生産者の方々とのマッチングや、販路開拓につなげるための商品取扱先の紹介・ふるさと納税の活用などの支援を継続的に行っています。
今後も新田さんの“想い”を“カタチ”にし、より多くの方に店舗・商品を知っていただくための支援を行い、大山町での持続的な経営に寄与していきます。
【事業所概要】
■事業所名:nico sweets ■事業内容:洋菓子製造小売業 ■住 所:1号店 鳥取県米子市皆生新田2丁目5-12 2号店 鳥取県西伯郡大山町末長490-1 (mountain hut内)
■lnstagram:https://www.instagram.com/nicosweets2017/ |