地域のチカラ ~伴走支援の現場~
個人顧客との距離を縮め オンリーワンの車両カスタムサービス
「お客様の要望にあったオンリーワンの車両が完成し、お客様の笑顔を見たときは、自分も自然と笑顔となります。」と話す淀瀬秀一さんは、時代の変化に合わせてBtoBからBtoCへと転換できるように事業の幅を拡大しつつ、お客様の要望に応えられるサービスを目指している。
▼時代の変化を受け、視点を変える
淀瀬自動車工業所は、令和2年1月に息子の秀一さんへ事業承継。創業者である父親の時代から技術力に定評があり、大手ディーラーや県内整備工場から信頼を得ている。
事業の軸である鈑金塗装は、車体性能の向上で事故が減少してきていることで受注件数が年々減少している。最近では、コロナ禍で外出が減ったことも事故車数の減少に影響があったという。事業を継続していくためにも、業者からの受注に頼ってばかりではなく何かお客様に直接サービスできることはないかと視点を変えて模索していた。
▼お客さんそれぞれのニーズに応える
そんな折、知り合いから頼まれたホイール塗装が新サービスのきっかけとなった。お客様が希望するホイールの色は、色見本にもない色であったため、いくつもサンプルを作り、打ち合わせを重ねて、お客様が満足していただける色合いのホイールが完成。
Instagramに完成したホイールの写真をアップしたところ、ホイールの色を変えてほしいという問い合わせがあり、受注につながった。
「これをきっかけに、お客様の好みにカスタムし、オンリーワンの車両を仕上げることに手応えを感じた」と当時を語る淀瀬さん。
自分の考えを積極的に打ち出していこうと決意し、北栄町商工会の藤井主任に相談。エンドユーザーへ販売強化するためには、情報発信を強化する必要があると藤井主任から助言を受け、小規模事業者持続化補助金を活用して自社ホームページ作成とSNS等による情報発信強化を実施。
次のステップとして、「待ち」の営業スタイルから「攻め」の営業スタイルへ変更するため、新しいサービスについて藤井主任と話し合いを重ね、鳥取県産業成長応援補助金を活用し、自動車鈑金塗装・整備技術を活かしたカスタム車両の提案型一貫製作事業を開始した。同時にお客様とゆっくりと打ち合わせができる商談スペースを新設。
情報発信を強化と新規サービスを実施したことで、知り合いの仲間や個人顧客からの受注が徐々に増えつつあり、仕事の幅も広がり、新たな販路先が増加している。
「お客様と要望を聞き、試行錯誤しながらオンリーワンの自動車を作るのは楽しいです。」と話す淀瀬さんの挑戦は、まだまだ続く。
▼経営支援専門員の声 中部商工会産業支援センター 主任 藤井 陽介
淀瀬さんとは年齢が近い事もあり、色々な事で相談する機会も多く、経営革新や事業承継など、事業所としてのターニングポイントに関わらせていただくことが出来ました。「昔ながらの自動車鈑金屋」からの脱却を掲げて、令和の時代を生き抜く商売を模索されている淀瀬さんと同じビジョンを共有しつつ、より良い提案で前に進んでいければと考えています。
【事業所概要】
■事業所名:淀瀬自動車 ■事業内容:自動車整備業 ■住 所:鳥取県東伯郡北栄町江北2445 ■U R L : https://yodose-carservice.com/
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