地域のチカラ ~伴走支援の現場~
自社の施工技術を活かした新事業部門の立ち上げ
昭和62年に先代の安藤義寛さんが創業した山陰フェンス工業㈲は、フェンス、ガードレール施工を主に事業しており、地域インフラの整備・維持の担い手であり地域社会の安心・安全確保を担う地域の守り手として確かな地位を築いてきた。
平成27年には息子の睦男さんが鳥取県へUターンし、事業に従事することになった。
「県外で仕事をしていましたが、妻と将来のことで相談して自然が豊かな鳥取で子育てをしたいと考え、Uターンを決意しました」と当時を振り返る睦男さんは、自社の事業継続・発展を常に考えて、仕事に励んでいる。
▼新事業分野の立ち上げ
令和2年4月、デザイン性の高いエクステリアやガーデニングの需要が高まっていることを知り、収益の新しい柱を増やすことで売上拡大するため、自社の施工技術力を活かして新しい事業部門を立ち上げることを決意した。
「当社は、公共工事の受注がメインであったため、売上拡大のためにもエンドユーザーからの受注を増やしたいと考え、お客様に癒しと心安らぐ空間をするためエクステリアや庭の施工に特化した新規事業部門を立上げました」と当時を語る。
睦男さんは、ガーデンセラピー資格を取得し3次元CADの技術を学び、先代と従業員の理解を得て、エクステリアや庭を提案・施工に特化した新規事業部門「アンド・テラス」を立ち上げたが、販路開拓に壁にぶつかり、米子日吉津商工会 石﨑主任に相談。
石﨑主任から、まず始めに新事業の認知度を広めることが大事であると助言を受け、小規模事業者持続化補助金を活用し、パンフレット作成・配布、ホームページ開設、SNSによる情報発信を実施したことで、自社が提案するガーデンセラピーを活かしたガーデンとエクステリアデザインの認知度が上がり受注が少しずつ増えつつある。
▼父から子へ事業承継
令和4年9月には、事業の継続・発展を考え、石﨑主任のサポートと専門家派遣制度を活用して、先代の父親から睦夫さんにスムーズに事業をバトンタッチした。
現在、フェンス・ガードレール事業は、今も健在な先代とベテランの職人が中心になって仕事を請け負い、新規事業部門は、睦男さんと奥様が中心になって事業を進めており、父親の背中を見て育った睦男さんは、父親と同じように堅実な経営を継続している。
会社の屋台骨を背負った睦男さんは「お客様から『安心して頼める』と言われ続けて地元に愛される企業を目指していきたい」と意気込みを語る。
▼経営支援専門員の声 西部商工会産業支援センター 主任 石﨑 修平
青年部内で募集した個別相談で申込があり、事業計画について相談したことがきっかけでした。
その後は、事業承継や労働相談、助成金など時宜に応じた課題整理やその解決に向けた支援を行い、円滑な事業運営のサポートに携わることができたことが、支援員として何よりの喜びです。今後も気軽にご相談いただけるよう、伴走させていただきたいと考えています。
【事業所概要】
事業所名:山陰フェス工業有限会社 事業内容:フェンス、ガードレールの施工工事、 外構・ガーデニング 住 所:鳥取県米子市淀江町佐陀322番地23 T E L:0859-56-5665 U R L:《山陰フェンス工業㈲のHP》 https://www.big-advance.site/s/173/1376
《ガーデニング事業 HP》
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